第6回 体表心臓微小電位研究会 パネルディスカッション 加算平均心電図の正常値をめぐって Time frequency法:フクダ電子社製VCM3000(VL-303)
【目的】フクダ電子社製VCM3000(VL-303)を用いてSAEを記録し,正常値について検討した.VCM 3000では記録時にforward(F)またはbackward(B)のフィルター処理を行うアナログ様使用と,加算後にVL-303解析プログラム用いて(F)または( B ) のフィルター処理を行うデジタル様使用があり,フィルター処理,方向別の正常値が必要である.【方法】対象は健常な成人ボランティア101人(37.3±8.8歳),男性49人(37.4±5.6歳),女性52人(41.8±8.9歳)で,今回は加算後VL-303解析プログラムを用いて(F)および(B)のフィルター処理を行うデジタル...
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Published in | 心臓 Vol. 28; no. Supplement7; pp. 58 - 63 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
30.12.1996
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.28.Supplement7_58 |
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Summary: | 【目的】フクダ電子社製VCM3000(VL-303)を用いてSAEを記録し,正常値について検討した.VCM 3000では記録時にforward(F)またはbackward(B)のフィルター処理を行うアナログ様使用と,加算後にVL-303解析プログラム用いて(F)または( B ) のフィルター処理を行うデジタル様使用があり,フィルター処理,方向別の正常値が必要である.【方法】対象は健常な成人ボランティア101人(37.3±8.8歳),男性49人(37.4±5.6歳),女性52人(41.8±8.9歳)で,今回は加算後VL-303解析プログラムを用いて(F)および(B)のフィルター処理を行うデジタル様使用の正常値を検討した.なお,加算回数は200回,カットオフ周波数および傾斜を40Hz(18db/oct)~300Hz(6db/oct)とし,また,誘導部位については,X誘導をI誘導,Y誘導をaVF,Z誘導をV2とする従来法ではなく,Z誘導はそのままで上下肢の誘導を下に下げた(X誘導を第三肋間で左右前腋窩線,Y誘導を左右鎖骨中線下で臍部水平位置とする)変法を用いた.【結果】1.(F)および(B)のfQRSは124.4±7.1ms,121.1±8.1ms,RMS40は17.5±10.3μV,34.0±22.1μV,LAS40は39.8±7.4ms,34.8±8.5msであり,それぞれ有意差(p<0.0001)を認めた.2.男女間では(F)および(B)のfQRS,RMS40,LAS40の各パラメーターに有意差を認めなかった.3.体表面積,身長,体重と(F)および(B)のfQRS,RMS40,LAS40の各パラメーターとの相関は明らかではなかった.【総括】正常値の決定にあたり注意すべき点として以下の統一をはかる必要がある.1.正常者の選択(年齢,性など),2.ノイズレベルの設定,3.フィルターの設定(種類,方向,カットオフ周波数,傾斜),4.誘導部位の固定,5.終末部の決定(自動,手動). |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.28.Supplement7_58 |