第2回 体表心臓微小電位研究会 抗不整脈薬による副伝導路順行伝導特性の評価 加算平均心電図法を用いて
目的:WPW症候群におけるデルタ波の消長とこれに伴う副伝導路順行伝導特性の変化の関係を調べるため,抗不整脈薬静注時の加算平均心電図を経時的に検討した.対象と方法:顕性WPW症候群(O-WPW)および潜在性WPW症候群(GWPW)にジソピラミド,プロカインアミド,ベラバミル,ピルジカイニドを静注.経時的に加算平均心電図を記録し,filterd QRS duration(f-QRS)および立ち上がりから5,10msecまでのQRS初期積分電位(I P5,10)をそれぞれ自動計測した.結果:(1)f-QRSはデルタ波不変群とC-WPWではベラバミルを除いて全例延長した.(2)O-WPWにおけるIP5...
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Published in | 心臓 Vol. 24; no. Supplement4; pp. 38 - 42 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
25.11.1992
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Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.24.Supplement4_38 |
Cover
Summary: | 目的:WPW症候群におけるデルタ波の消長とこれに伴う副伝導路順行伝導特性の変化の関係を調べるため,抗不整脈薬静注時の加算平均心電図を経時的に検討した.対象と方法:顕性WPW症候群(O-WPW)および潜在性WPW症候群(GWPW)にジソピラミド,プロカインアミド,ベラバミル,ピルジカイニドを静注.経時的に加算平均心電図を記録し,filterd QRS duration(f-QRS)および立ち上がりから5,10msecまでのQRS初期積分電位(I P5,10)をそれぞれ自動計測した.結果:(1)f-QRSはデルタ波不変群とC-WPWではベラバミルを除いて全例延長した.(2)O-WPWにおけるIP5はデルタ波消失直前に減少し,デルタ波消失とともに著明に増加した.デルタ波不変群ではほとんど変化がなかった.(3)C-WPWにおけるIP5はジソピラミド静注後に2例で増加,1例で不変であった.これに対しベラバミル,ピルジカイニドではほぼ不変であった.総括:C-WPWも洞調律時に副伝導路に潜伏順行伝導が存在する可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.24.Supplement4_38 |