放線菌二次代謝物の生産を増強する小分子バイオメディエーター β-カルボリン(BR-1)はリベロマイシン生産を促進する

人類は土壌から微生物を単離し,さまざまな培地で培養することによって,創薬の種を探索し利用してきたが,年々新規天然化合物の発見が困難になってきている.その一方で,有用二次代謝物を生産することで知られる放線菌のゲノム解読の結果,多くの未知二次代謝生合成遺伝子群の存在が明らかになった.また,放線菌に存在する二次代謝生合成遺伝子の多くは休眠していることも判明しているが,さまざまな微生物が存在する土壌環境では,小分子化合物を含め,未知の相互作用が生合成遺伝子発現を誘導すると考えられている.本稿では,リベロマイシン(RM)生産菌に着目し,RM生産を誘導する小分子化合物の探索および作用機構を解析した研究につ...

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Published in化学と生物 Vol. 59; no. 4; pp. 176 - 181
Main Authors 高橋, 俊二, 長田, 裕之, パンテー, スレシュ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本農芸化学会 01.04.2021
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ISSN0453-073X
1883-6852
DOI10.1271/kagakutoseibutsu.59.176

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Summary:人類は土壌から微生物を単離し,さまざまな培地で培養することによって,創薬の種を探索し利用してきたが,年々新規天然化合物の発見が困難になってきている.その一方で,有用二次代謝物を生産することで知られる放線菌のゲノム解読の結果,多くの未知二次代謝生合成遺伝子群の存在が明らかになった.また,放線菌に存在する二次代謝生合成遺伝子の多くは休眠していることも判明しているが,さまざまな微生物が存在する土壌環境では,小分子化合物を含め,未知の相互作用が生合成遺伝子発現を誘導すると考えられている.本稿では,リベロマイシン(RM)生産菌に着目し,RM生産を誘導する小分子化合物の探索および作用機構を解析した研究について紹介する.
ISSN:0453-073X
1883-6852
DOI:10.1271/kagakutoseibutsu.59.176