第15回心臓性急死研究会 Brugada症候群21例の心内膜心筋生検による組織学的検討 多施設共同研究
【目的】Brugada症候群の心筋に関する組織学的な検討は十分に行われていない.今回心筋生検材料を用いて検討し,若干の知見をえたので報告する. 【方法】対象はBrugada症候群21例(男性19,女性2例,平均年齢46.8歳)である.内17例で心室細動が確認されている.右室より得られた生検材料を,型のごとく包埋し,組織標本を作製し,光顕下で半定量的に検討した.この対照として12例の正常剖検心を用いた. 【結果】心筋炎後と考えられる1例(5%),肥大型心筋症の組織学的な特徴である心筋細胞の高度の錯綜配列を有する2例(10%),著しい脂肪織と間質の線維化がみられる5例(24%),壁在血栓が高度な1...
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Published in | 心臓 Vol. 35; no. Supplement3; p. 13 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
10.09.2003
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.35.Supplement3_13 |
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Summary: | 【目的】Brugada症候群の心筋に関する組織学的な検討は十分に行われていない.今回心筋生検材料を用いて検討し,若干の知見をえたので報告する. 【方法】対象はBrugada症候群21例(男性19,女性2例,平均年齢46.8歳)である.内17例で心室細動が確認されている.右室より得られた生検材料を,型のごとく包埋し,組織標本を作製し,光顕下で半定量的に検討した.この対照として12例の正常剖検心を用いた. 【結果】心筋炎後と考えられる1例(5%),肥大型心筋症の組織学的な特徴である心筋細胞の高度の錯綜配列を有する2例(10%),著しい脂肪織と間質の線維化がみられる5例(24%),壁在血栓が高度な1例(5%),心筋細胞の肥大が全く認められない13例(62%)など症例によって所見は様々であった. 【考察】従来の報告は心筋病変は軽度であるというのが大半であり,今回の結果とは異なる. 【結語】本症は症候群であって,病因は様々であることが組織学的にも裏づけられた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.35.Supplement3_13 |