Dufourmental flap を併用した大殿筋皮弁による殿部褥瘡治療
「はじめに」殿部褥瘡に対して大殿筋皮弁を用いて治療する際皮弁生着の安定性を高めるためには, 皮弁への血行をより確実にすることが重要な点の一つである. Dufourmentel flap1)を併用した大殿筋皮弁を試みて, 治療成績について検討した. 対象 対象は6例(男性3, 女性3名)であった(表1). 年齢は47歳から89歳(平均60歳)であった. 発生要因は脊損3例, 手術に伴う臥床3例(2例は痴呆あり)であった. 発生部位は仙骨部4例, 坐骨部2例であった. 褥瘡の分類にはShea7)による分類を使用した(表2). 全例IV度であった. 全例で術前に細菌感染を認め, 4例がMRSA感染で...
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| Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 53; no. 2; pp. 385 - 388 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
西日本整形・災害外科学会
2004
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
| DOI | 10.5035/nishiseisai.53.385 |
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| Summary: | 「はじめに」殿部褥瘡に対して大殿筋皮弁を用いて治療する際皮弁生着の安定性を高めるためには, 皮弁への血行をより確実にすることが重要な点の一つである. Dufourmentel flap1)を併用した大殿筋皮弁を試みて, 治療成績について検討した. 対象 対象は6例(男性3, 女性3名)であった(表1). 年齢は47歳から89歳(平均60歳)であった. 発生要因は脊損3例, 手術に伴う臥床3例(2例は痴呆あり)であった. 発生部位は仙骨部4例, 坐骨部2例であった. 褥瘡の分類にはShea7)による分類を使用した(表2). 全例IV度であった. 全例で術前に細菌感染を認め, 4例がMRSA感染であった. 手術方法 創閉鎖に先立ち壊死組織を確実に切除して, 突出した骨を切除した. 筋皮弁のデザインは図1に示したようにDufourmentel flapを改良して, 辺NQは必ずしも短軸と菱形の一辺との延長線の二等分線とはせずに大殿筋筋線維方向に合うように決定し, 筋皮弁内に上殿または下殿動静脈が含まれるようにした. 皮膚切開の前にpivot pointである点Rが点Nにまで移動できるか皮膚をスキンフックで移動させて確認した. まず辺NQのみを皮膚切開した後, 大殿筋を線維方向に鈍的に分け, 次に辺QR部を皮膚切開して大殿筋線維を切離していくが, この際辺NQとともに挙上しながら移動する筋量を調整した. |
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| ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
| DOI: | 10.5035/nishiseisai.53.385 |