小児再発ANLLに対する大量cytosine arabinoside, mitoxantrone (HAM) 併用療法
小児急性非リンパ性白血病の再発例5例に対して, 大量cytosine arabinosideとmitoxantrone (HAM療法) による再寛解導入を施行し, 4例に完全寛解 (CR) が得られた.5例中2例は同種骨髄移植 (BMT) 後に再発した症例であったが, このうち1例に再寛解が得られた.治療に伴う副作用として, 骨髄抑制, 細菌・真菌感染症, 消化器症状が全例に認められたが, いずれも適切な治療で改善した.CRが得られず非寛解期に再移植を施行した1例が心不全を合併し死亡した.CRが得られた4例のうち, 最終的には3例が再々発あるいはHAM療法終了後の治療に伴う副作用で死亡した.H...
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Published in | 日本小児血液学会雑誌 Vol. 8; no. 3; pp. 254 - 258 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
30.06.1994
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ISSN | 0913-8706 1884-4723 |
DOI | 10.11412/jjph1987.8.254 |
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Summary: | 小児急性非リンパ性白血病の再発例5例に対して, 大量cytosine arabinosideとmitoxantrone (HAM療法) による再寛解導入を施行し, 4例に完全寛解 (CR) が得られた.5例中2例は同種骨髄移植 (BMT) 後に再発した症例であったが, このうち1例に再寛解が得られた.治療に伴う副作用として, 骨髄抑制, 細菌・真菌感染症, 消化器症状が全例に認められたが, いずれも適切な治療で改善した.CRが得られず非寛解期に再移植を施行した1例が心不全を合併し死亡した.CRが得られた4例のうち, 最終的には3例が再々発あるいはHAM療法終了後の治療に伴う副作用で死亡した.HAM療法は再寛解導入には有効であるが, これだけでは白血病細胞を根絶することは困難であり, 予後を改善するためには造血幹細胞移植を併用した超大量化学療法が必要であると考えられた. |
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ISSN: | 0913-8706 1884-4723 |
DOI: | 10.11412/jjph1987.8.254 |