聞き取り困難/聴覚情報処理障害 (LiD/APD) を疑う成人例に対する包括的評価
要旨: 聞き取り困難 (LiD) に対して包括的評価を行い, 「聞こえにくさのチェックシート」との間にどのような関連があるのかについて検討を行った。 対象は, 基本的な聴力検査を行ったが異常を認めず, 聞こえにくさのチェックシートにて109点未満であった9例とした。評価は, APT, 標準注意検査法 (CAT), S-PA 標準言語性対連合学習検査, Rey の複雑図形検査, SALA の無意味語の復唱, AQ 日本語版, CAARS 日本語版, 日本語版 SDS を施行した。 APT では, 両耳分離聴検査, 早口音声聴取検査, 雑音下聴取検査, 複数音声下聴取検査にて障害域の項目数が多か...
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          | Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 68; no. 4; pp. 274 - 285 | 
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| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本聴覚医学会
    
        30.08.2025
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| Subjects | |
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| ISSN | 0303-8106 1883-7301  | 
| DOI | 10.4295/audiology.68.274 | 
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| Summary: | 要旨: 聞き取り困難 (LiD) に対して包括的評価を行い, 「聞こえにくさのチェックシート」との間にどのような関連があるのかについて検討を行った。  対象は, 基本的な聴力検査を行ったが異常を認めず, 聞こえにくさのチェックシートにて109点未満であった9例とした。評価は, APT, 標準注意検査法 (CAT), S-PA 標準言語性対連合学習検査, Rey の複雑図形検査, SALA の無意味語の復唱, AQ 日本語版, CAARS 日本語版, 日本語版 SDS を施行した。 APT では, 両耳分離聴検査, 早口音声聴取検査, 雑音下聴取検査, 複数音声下聴取検査にて障害域の項目数が多かった。CAT ではすべての項目で障害域に達した症例を認めた。AQ 日本語版1例, ADHD 指標1例, 日本語版 SDS 3例で障害域であった。また, 聞こえにくさのチェックシートと発達および性格特性と有意な相関があり, 患者本人の聞こえにくさの症状は, APT や神経心理学的検査よりむしろ, 発達および性格特性との関連が高い可能性がある。 | 
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| ISSN: | 0303-8106 1883-7301  | 
| DOI: | 10.4295/audiology.68.274 |