高尿酸血症

「1. はじめに」痛風は1960年頃まではまれな疾患であると考えられていた. しかし, 食生活の欧米化やアルコール摂取量の増加などにより, 現在では本邦において約60万人の痛風患者がいると推定されている. 痛風の基礎病態である高尿酸血症も増加しており, 現在, 成人男性の20~25%が高尿酸血症であると考えられている. 高尿酸血症は生活習慣病やその集簇であるメタボリックシンドロームと密接に関連することが知られており, またメタボリックシンドロームの基盤となっていると考えられているインスリン抵抗性は, 高尿酸血症, 高尿酸尿症, 酸性尿を介して痛風・高尿酸血症の腎合併症である痛風腎と密接に関連す...

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Published in日本未病システム学会雑誌 Vol. 14; no. 1; pp. 20 - 24
Main Author 大野, 岩男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本未病システム学会 15.07.2008
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ISSN1347-5541
2185-2162
DOI10.11288/mibyou1998.14.20

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Summary:「1. はじめに」痛風は1960年頃まではまれな疾患であると考えられていた. しかし, 食生活の欧米化やアルコール摂取量の増加などにより, 現在では本邦において約60万人の痛風患者がいると推定されている. 痛風の基礎病態である高尿酸血症も増加しており, 現在, 成人男性の20~25%が高尿酸血症であると考えられている. 高尿酸血症は生活習慣病やその集簇であるメタボリックシンドロームと密接に関連することが知られており, またメタボリックシンドロームの基盤となっていると考えられているインスリン抵抗性は, 高尿酸血症, 高尿酸尿症, 酸性尿を介して痛風・高尿酸血症の腎合併症である痛風腎と密接に関連することも明らかになってきている. 「2. 高尿酸血症と生活習慣病・メタボリックシンドローム」成人男性における高尿酸血症の頻度, 高尿酸血症と他の生活習慣病との合併状況を調査した当教室の成績では, 当大学の人間ドックを受診した成人男性例5,227例において, 高尿酸血症(血清尿酸値7.0mg/dLを超えるもの)は1,162例(22.2%)に認められた1).
ISSN:1347-5541
2185-2162
DOI:10.11288/mibyou1998.14.20