アルファロール散と他の散剤・顆粒剤との配合変化試験

「緒言」近年, 高齢者の処方において散剤顆粒剤での調剤が増加している. その背景には,高齢者の薬物療法における薬用量は, 生理機能の低下を考慮して少量から開始することが原則とされていること1), また, 高齢者の中には嚥下障害を有する者も多いこと, 経管栄養の患者も増加していること, さらに, 他剤との配合により服用回数が減少できることなどがあげられる. これに対応すべく, 製薬企業各社は, 錠剤カプセル剤などの剤形に追加して散剤顆粒剤といった剤形を開発し発売してきている. アルファカルシドール製剤は, 慢性腎不全, 副甲状腺機能低下症, 骨粗鬆症等の治療に有用性が認められて広く利用されている...

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Published in病院薬学 Vol. 24; no. 6; pp. 750 - 758
Main Authors 西村, 直子, 田村, 貴洋, 山崎, 裕子, 堀口, 雅巳, 伊東, 雅夫, 石倉, 千代治, 三溝, 和男, 吉村, 友子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療薬学会 10.12.1998
日本病院薬学会
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ISSN0389-9098
2185-9477
DOI10.5649/jjphcs1975.24.750

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Summary:「緒言」近年, 高齢者の処方において散剤顆粒剤での調剤が増加している. その背景には,高齢者の薬物療法における薬用量は, 生理機能の低下を考慮して少量から開始することが原則とされていること1), また, 高齢者の中には嚥下障害を有する者も多いこと, 経管栄養の患者も増加していること, さらに, 他剤との配合により服用回数が減少できることなどがあげられる. これに対応すべく, 製薬企業各社は, 錠剤カプセル剤などの剤形に追加して散剤顆粒剤といった剤形を開発し発売してきている. アルファカルシドール製剤は, 慢性腎不全, 副甲状腺機能低下症, 骨粗鬆症等の治療に有用性が認められて広く利用されている2). 特に骨粗鬆症は高齢者に多い疾患である3). 従来, この製剤は, カプセル剤, 錠剤, 液剤が発売されていたが, 高齢者に対応した剤形として中外製薬よりアルファロール散が発売された4). そこで今回我々は, 望星薬局においてアルファロール散と併用される可能性の高い散剤顆粒剤との配合変化について, 保存条件による外観変化およびアルファカルシドール含量の残存率を指標に検討したので報告する. 実験の部 1. 試料 1)配合薬剤 配合薬剤は, 望星薬局の薬歴情報データベース5)より, アルファカルシドール製剤と併用される頻度が高い薬物で, 散剤顆粒剤が市販されているものの中から, 乳糖, 沈降炭酸カルシウム末, 乳酸カルシウム末, カルチコール末, アルサルミン細粒, マーズレンS顆粒, 重カマ細粒, タガメット細粒, ガスター散, コランチル顆粒, アセナリン細粒, テルネリン顆粒, リーゼ顆粒, ロキソニン細粒, ソランタール細粒, アルナート顆粒, パナルジン細粒の17品目を選定した.
ISSN:0389-9098
2185-9477
DOI:10.5649/jjphcs1975.24.750