歯周疾患の実態調査と予防対策に関する疫学的研究 2. 川越市下中学生の歯周疾患の実態調査とその予防対策

若年性歯周炎の発生頻度および中学生における歯周疾患の羅患状態を把握する目的で, 川越市下の中学生2, 980名を対象に調査を行なった。検査はスクリーニングのために3段階に分けた。第一段階は歯肉の炎症 (発赤, 腫脹), 第2段階は歯周ポケットの深さの測定 (circumferential法) および第3段階は4点法による歯周ポケットの測定, X線撮影およびスタディモデルによる矯正学的問題について検討した。その結果, 総被検者の3.7%に歯肉の炎症を認めた。また, 4mm以上の歯周ポケットを有する者が1.4%に認められた。 両者の発生頻度は, 男子に高い割合で認められた。4mm以上の歯周ポケット...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 28; no. 2; pp. 662 - 669
Main Authors 池田, 克巳, 下島, 孝裕, 内海, 順夫, 岩上, 清隆, 三宅, 唯夫, 渡辺, 幸男, 真島, 徹, 西本, 正純, 山田, 久仁子, 中島, 啓次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 28.06.1986
日本歯周病学会
Subjects
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.28.662

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Summary:若年性歯周炎の発生頻度および中学生における歯周疾患の羅患状態を把握する目的で, 川越市下の中学生2, 980名を対象に調査を行なった。検査はスクリーニングのために3段階に分けた。第一段階は歯肉の炎症 (発赤, 腫脹), 第2段階は歯周ポケットの深さの測定 (circumferential法) および第3段階は4点法による歯周ポケットの測定, X線撮影およびスタディモデルによる矯正学的問題について検討した。その結果, 総被検者の3.7%に歯肉の炎症を認めた。また, 4mm以上の歯周ポケットを有する者が1.4%に認められた。 両者の発生頻度は, 男子に高い割合で認められた。4mm以上の歯周ポケットを有する者から29名について精検した結果, 歯周ポケットの深さは前歯部および第一大臼歯で深い傾向が認められた。しかし, X線写真で骨吸収を認める者はなかった。矯正学的には前歯部の被蓋状態が大きいほど, 炎症が高度になる傾向が認められた。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.28.662