尿路結石症における蓚酸に関する研究 II 蓚酸カルシウム結石患者の尿中蓚酸排泄
改良した radioenzyme 法を用いて尿中蓚酸排泄量を測定した. 健康者30人及び蓚酸カルシウム結石患者25人を対象とした. その平均年齢はそれぞれ41.4±14.6歳 (SD) と49.1±19.8歳 (SD) であつた. 対照群の24時間尿中蓚酸排泄量の平均は24.7±6.1mg (SD) であり, 結石群のものは30.4±11.6mg (SD) であつた. 両群間の24時間尿中蓚酸排泄量には推計学的に有意差を認めた. 尿中蓚酸排泄量と尿中蓚酸濃度の日内変動を同様に測定した. 健康者7人と蓚酸カルシウム結石患者10人を対象とした. その平均年齢はそれぞれ44.0±15.0歳 (SD)...
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Published in | 日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 72; no. 12; pp. 1546 - 1552 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本泌尿器科学会
20.12.1981
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ISSN | 0021-5287 1884-7110 |
DOI | 10.5980/jpnjurol1928.72.12_1546 |
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Summary: | 改良した radioenzyme 法を用いて尿中蓚酸排泄量を測定した. 健康者30人及び蓚酸カルシウム結石患者25人を対象とした. その平均年齢はそれぞれ41.4±14.6歳 (SD) と49.1±19.8歳 (SD) であつた. 対照群の24時間尿中蓚酸排泄量の平均は24.7±6.1mg (SD) であり, 結石群のものは30.4±11.6mg (SD) であつた. 両群間の24時間尿中蓚酸排泄量には推計学的に有意差を認めた. 尿中蓚酸排泄量と尿中蓚酸濃度の日内変動を同様に測定した. 健康者7人と蓚酸カルシウム結石患者10人を対象とした. その平均年齢はそれぞれ44.0±15.0歳 (SD) と36.1±11.8歳 (SD) であつた. その結果昼間の尿中蓚酸排泄量は夜間に比して著しく多かつた. また真夜中から早朝にかけて尿量の減少が認められ, それに伴なつて尿中蓚酸濃度が著しく高くなることが判明した. この尿中蓚酸濃度の増加は結石群で著しく, これは対照群と比較して推計学的に有意であつた. 以上の尿中蓚酸濃度の結果より考えると1日の内では早朝が結石形成の最も起き易い時であると推測される. |
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ISSN: | 0021-5287 1884-7110 |
DOI: | 10.5980/jpnjurol1928.72.12_1546 |