腹圧排尿 第1報 正常成人男子での検討

正常成人男子36例の排尿時同時測定から腹圧排尿を検討した. 腹圧排尿は個人個人の排尿習慣によると考えられるが, 排尿量が少なく, 排尿前の尿意が弱いか, ほとんどない場合では1型の腹圧がみられる症例が存在した. 排尿量が多い場合は4型が多くみられ, 排尿量が少なくなるに従って2~4型の出現頻度は同程度となった. 腹圧排尿と排尿量については有意な差はみられず, 又, 年齢に関しても同様であった. 最大努責圧は5~39mmHgが全体の93.7%を占めた. 腹圧排尿群と非腹圧排尿群では排尿量が最小尿意量から200ml未満の間で平均尿流率と排尿時間にそれぞれp<0.05, 0.01で有意差がみら...

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Published in日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 77; no. 11; pp. 1814 - 1819
Main Authors 越知, 憲治, 岡本, 正紀, 森田, 勝, 渡辺, 喜代隆, 竹内, 正文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本泌尿器科学会 20.11.1986
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ISSN0021-5287
1884-7110
DOI10.5980/jpnjurol1928.77.11_1814

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Summary:正常成人男子36例の排尿時同時測定から腹圧排尿を検討した. 腹圧排尿は個人個人の排尿習慣によると考えられるが, 排尿量が少なく, 排尿前の尿意が弱いか, ほとんどない場合では1型の腹圧がみられる症例が存在した. 排尿量が多い場合は4型が多くみられ, 排尿量が少なくなるに従って2~4型の出現頻度は同程度となった. 腹圧排尿と排尿量については有意な差はみられず, 又, 年齢に関しても同様であった. 最大努責圧は5~39mmHgが全体の93.7%を占めた. 腹圧排尿群と非腹圧排尿群では排尿量が最小尿意量から200ml未満の間で平均尿流率と排尿時間にそれぞれp<0.05, 0.01で有意差がみられ, 又, 排尿量が100mlから最小尿意量未満の間で排尿時間にp<0.05で有意差がみられた. 腹圧のそれぞれの型と関係があると考えられる各種のパラメーターを検討したが, 2型の腹圧と開口時間及び開口時内圧, 2型又は3型の腹圧と最大尿流率及び最大排尿筋圧のいずれにも有意差はみられなかった. 2型又は3型又は4型の腹圧と平均尿流率及び排尿時間の検討では腹圧排尿群と非腹圧排尿群の間には排尿量が最小尿意量から200ml未満及び100mlから最小尿意量未満において排尿時間にp<0.05で有意差がみられた.
ISSN:0021-5287
1884-7110
DOI:10.5980/jpnjurol1928.77.11_1814