新しい感染防止装置付歯科器材の臨床評価

アメリカ歯科医師会 (ADA) は1992年, 感染防御勧告を4年ぶりに改訂した。1988年の勧告ではエアータービンハンドピースに関して, 減菌可能な器具と不可能な器具に分けて記載されていたが, 今回の改訂で減菌不可能なエアータービンハンドピースは抹消された。さらに吸引による内部汚染をチェックバルブを装置することによって回避することも合わせて勧告している。一方本邦においてもエアータービンハンドピース内部汚染に関する幾多の報告がなされ, 汚染防止について, 対策考察されてきた。著者らは, その一つとして最近開発されてきた吸引防止装置付きのエアータービンハンドピースを用いた基礎実験により, 有効性...

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Published in有病者歯科医療 Vol. 3; no. 1; pp. 33 - 38
Main Authors 宇佐美, 雄司, 伊藤, 正夫, 大須賀, 伸二, 上田, 実, 太田, 美智男, アショリ, マンダナ, 増田, 晃司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本有病者歯科医療学会 30.10.1994
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ISSN0918-8150
1884-667X
DOI10.11255/jjmcp1992.3.33

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Summary:アメリカ歯科医師会 (ADA) は1992年, 感染防御勧告を4年ぶりに改訂した。1988年の勧告ではエアータービンハンドピースに関して, 減菌可能な器具と不可能な器具に分けて記載されていたが, 今回の改訂で減菌不可能なエアータービンハンドピースは抹消された。さらに吸引による内部汚染をチェックバルブを装置することによって回避することも合わせて勧告している。一方本邦においてもエアータービンハンドピース内部汚染に関する幾多の報告がなされ, 汚染防止について, 対策考察されてきた。著者らは, その一つとして最近開発されてきた吸引防止装置付きのエアータービンハンドピースを用いた基礎実験により, 有効性を第6回日本エイズ学会にて報告した。本研究では吸引防止装置 (AT-AR Clean System) の有効性について臨床的に検討した。すなわち吸引防止装置を装着したエアータービンハンドピースとの未装着のエアータービンハンドピースを用いて歯科治療を行い, 治療終了後各エアータービンハンドピースを空転させることによって、冷却水およびドライブエアーに吸引された細菌をTSBに放出させた。これらを5%馬血液添加Brain Heart Infusion寒天培地に接種し, 培養後コロニ数を測定した。その結果として吸引防止装置付き (AT-AR Clean System) では治療後回収コロニ数0cfu/mlに比べ吸引防止装置未装着では2.3×103cfu/mlであった。
ISSN:0918-8150
1884-667X
DOI:10.11255/jjmcp1992.3.33