歯周病関連細菌に対する血清IgG抗体 第1報歯周病の病状とIgG抗体との相関

歯周病関連細菌に対する血清IgG抗体価と歯周病の病型あるいは, 臨床症状との相関を検索することを研究目的とした。血清抗体の定量には, 超音波抽出上清を抗原とするELISA法を用いた。歯周炎患者129名を臨床的な病状によって, 若年性歯周炎, 急速進行性歯周炎活動期, または非活動期, および成人性歯周炎に分類し, ポケット長測定およびレントゲン写真検査を行なって, 各種臨床症状をあらわす指数を算出した。 それぞれの病型群で各種臨床検査から得た指数と血清抗体価との相関係数を計算し, 若干の有意な正の相関を得た。しかし, 病型に特徴的な病状を説明できるような指数と抗体価の組合わせをすべての病型で見...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 29; no. 1; pp. 132 - 145
Main Authors 小林, 充治, 野村, 慶雄, 岡村, 和則, 熊澤, 寛, 横山, 雅之, 永井, 淳, 杉山, 雅昭, 村山, 洋二, 栗原, 英見
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 28.03.1987
日本歯周病学会
Subjects
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.29.132

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Summary:歯周病関連細菌に対する血清IgG抗体価と歯周病の病型あるいは, 臨床症状との相関を検索することを研究目的とした。血清抗体の定量には, 超音波抽出上清を抗原とするELISA法を用いた。歯周炎患者129名を臨床的な病状によって, 若年性歯周炎, 急速進行性歯周炎活動期, または非活動期, および成人性歯周炎に分類し, ポケット長測定およびレントゲン写真検査を行なって, 各種臨床症状をあらわす指数を算出した。 それぞれの病型群で各種臨床検査から得た指数と血清抗体価との相関係数を計算し, 若干の有意な正の相関を得た。しかし, 病型に特徴的な病状を説明できるような指数と抗体価の組合わせをすべての病型で見出すことはできなかった。 血清IgG抗体価は, 病態の表現型の1つであるが, それは, 各種臨床検査から得られるパラメータとは独立したカテゴリーに属するものであろうと考察される。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.29.132