Fibronectinによる歯垢, 歯石の形成機序 第5報リン酸溶液中でのfibronectinのhydroxyapatiteへの吸着実験

Fibronectinは種々の物質に粘着性を示す糖タンパクである。これまでに本物質が全唾液のみならず分泌唾液, 獲得被膜や歯垢, 歯石中にも存在することを証明し, 獲得被膜を始めとして歯垢, 歯石の形成に多大に関与していることを示唆してきた。今回, fibronectinが実際にhydroxyapatite表面に吸着して獲得被膜を形成し得ることを確認するため, fibronectinのhydroxyapatiteに対する親和性 (affinity) を定量的に検討した。 結果はLangmuirの吸着等温式に適合し, これより親和性を求めたところ, fibronectinでは2, 709ml/μ...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 28; no. 1; pp. 125 - 130
Main Authors 紀藤, 信哉, 阿部, 龍二, 竹内, 宏, 洞田, 直子, 田島, 一範, 澁谷, 耕司, 森脇, 豊, 土井, 豊, 藤井, 輝久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 28.03.1986
日本歯周病学会
Subjects
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.28.125

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Summary:Fibronectinは種々の物質に粘着性を示す糖タンパクである。これまでに本物質が全唾液のみならず分泌唾液, 獲得被膜や歯垢, 歯石中にも存在することを証明し, 獲得被膜を始めとして歯垢, 歯石の形成に多大に関与していることを示唆してきた。今回, fibronectinが実際にhydroxyapatite表面に吸着して獲得被膜を形成し得ることを確認するため, fibronectinのhydroxyapatiteに対する親和性 (affinity) を定量的に検討した。 結果はLangmuirの吸着等温式に適合し, これより親和性を求めたところ, fibronectinでは2, 709ml/μM, 比較対照に用いたalbuminでは234ml/μMとなり, fibronectinはalbuminと比較にならないほどhydroxyapatiteに対して強い親和性を示すことが明らかになった。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.28.125