急性期医療への積極的介入を経験して 胸部心臓血管外科リハビリテーションへの挑戦
【はじめに】 現代の医療現場において、病院の機能分化が重要視されている。この時代の流れの中で、救急病院である当院のリハビリテーション(以下リハ)が、より積極的に急性期医療に携わり、活動の場を広げていく必要性を感じ、方法を考えてきた。その中で術直後より呼吸器合併症予防や離床の促進が必要とされる胸部心臓血管外科(以下胸外)の早期リハ介入が出来ないかと考え、取り組みを開始し6ヶ月が経過した。理学療法士(以下PT)が早期介入してからの改善点・今後の課題などについて検討したため報告する。 【目的】 これまで、当院の胸外術後リハは重度の合併症による廃用症候群に対する依頼であった。そこで、術後早期にPTが介...
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| Published in | 九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 p. 104 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
九州理学療法士・作業療法士合同学会
2006
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0915-2032 2423-8899 |
| DOI | 10.11496/kyushuptot.2006.0.104.0 |
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| Summary: | 【はじめに】 現代の医療現場において、病院の機能分化が重要視されている。この時代の流れの中で、救急病院である当院のリハビリテーション(以下リハ)が、より積極的に急性期医療に携わり、活動の場を広げていく必要性を感じ、方法を考えてきた。その中で術直後より呼吸器合併症予防や離床の促進が必要とされる胸部心臓血管外科(以下胸外)の早期リハ介入が出来ないかと考え、取り組みを開始し6ヶ月が経過した。理学療法士(以下PT)が早期介入してからの改善点・今後の課題などについて検討したため報告する。 【目的】 これまで、当院の胸外術後リハは重度の合併症による廃用症候群に対する依頼であった。そこで、術後早期にPTが介入する事で術後安静による合併症を予防し、早期離床・早期退院に協力できないかと考えた。患者様により安心で充実したサービスを提供するために、1人の患者様に入院時から退院まで1人のPTが担当出来るという利点もあり、PTによる早期離床・ADL拡大に向け取り組みを始めることにした。 【方法】 胸外医師の指示・協力を得て、ICU看護師・循環器病棟看護師と連携をとり、患者様の退院までの治療過程に準じたリハプログラムを作成した。また情報交換欄を付けることで、より連携を取りやすい形式とした。 【報告】 平成17年10月より術前を含めた術直後からのPT介入が可能となり、介入数は61例である。そのうち44例に対しリハプログラムに準じたリハを実施した。内訳は冠動脈バイパス術23例、人工血管置換術8例、弁置換術9例、その他4例である。また、術後平均1.3日目でPT開始、1.3日目で坐位、2.5日目で歩行実施と早期離床・早期退院のサポートを可能としてきている。 【まとめ】 今回の取り組みを通して、患者様により安心で充実した急性期リハを提供するためには、スタッフ間の密な連携が必要であると再認識した。また、早期退院が一般的となってきている現代の医療において、退院後の生活指導や二次予防は重要である。今後、より多くの職種と協力し院内連携を図るため、私たちPTは知識・技術の向上に努め、専門的視点を身につけると共に、退院後のサポートを近隣の病院・施設などと連携し、より地域に根ざした急性期医療の充実に貢献していきたい。 |
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| ISSN: | 0915-2032 2423-8899 |
| DOI: | 10.11496/kyushuptot.2006.0.104.0 |