下顎骨骨量の加齢的変化に関する研究 DentaScan®による再構築画像を用いた骨形態計測学的検討

歯科インプラントの術前検査などで, 顎骨の評価のために用いられているDentaScan®の再構築画像は, 下顎骨全周の皮質骨の厚さ, 顎骨の高径, 幅径あるいは下歯槽神経走行などに関する精度の高い情報を得ることが可能である.そこで本研究では, 加齢が下顎骨骨量に及ぼす影響を明らかにするために, 再構築画像を用いて下顎骨皮質骨の厚さや骨髄腔の大きさの変化について骨形態計測学的に解析した.対象はインプラントの術前検査としてパノラマX線写真およびDentaScan®による下顎骨の評価が施行された症例のうち, 年齢が40~70歳代で, 下顎第二小臼歯より後方歯が欠損した患者39名, 50側である.本研...

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Published in昭和歯学会雑誌 Vol. 22; no. 2; pp. 85 - 95
Main Authors 山崎, 正貴, 大野, 康亮, 歌門, 美枝, 代田, 達夫, 道, 健一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学・昭和歯学会 30.06.2002
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ISSN0285-922X
2186-5396
DOI10.11516/dentalmedres1981.22.85

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Summary:歯科インプラントの術前検査などで, 顎骨の評価のために用いられているDentaScan®の再構築画像は, 下顎骨全周の皮質骨の厚さ, 顎骨の高径, 幅径あるいは下歯槽神経走行などに関する精度の高い情報を得ることが可能である.そこで本研究では, 加齢が下顎骨骨量に及ぼす影響を明らかにするために, 再構築画像を用いて下顎骨皮質骨の厚さや骨髄腔の大きさの変化について骨形態計測学的に解析した.対象はインプラントの術前検査としてパノラマX線写真およびDentaScan®による下顎骨の評価が施行された症例のうち, 年齢が40~70歳代で, 下顎第二小臼歯より後方歯が欠損した患者39名, 50側である.本研究ではオトガイ孔より2.0cm後方のスライス画像を使用し, 下顎骨皮質骨の厚さ, 骨髄腔の幅径を計測し, 年齢によるそれぞれの値の変化について解析した.また, パノラマX線写真を用いた従来法による骨量評価との比較検討も行った.その結果, パノラマX線写真を用いた計測では年齢による下顎骨骨量の変化は明らかではなかった.しかし, DentaScan®による再構築画像を用いて解析した結果, 男女とも加齢によって下縁部皮質骨, 中央部頬側皮質骨および下部頬側皮質骨の厚みが減少することが明らかとなった.特に女性の下顎骨では加齢に伴い皮質骨内面の吸収が進行し, 骨髄腔は拡大するものと考えられた.
ISSN:0285-922X
2186-5396
DOI:10.11516/dentalmedres1981.22.85