男性インポテンスに関する研究 第14報 インポテンスの鑑別診断法としての stamp technique の有用性について

REM睡眠期に一致してみられる勃起 nocturnal penile tumescence (NPT) の有無を利用して器質的インポテンスの鑑別が行なわれているが, Barry ら (1980) はより簡単な方法として官製切手を利用し, これを陰茎に巻きつけ夜間に切手の環がミシン目より切れるかどうかでNPTの有無を知る方法を試みている. われわれも38例のインポテンス患者に本検査を施行するとともに, 従来より施行している visual sexual stimulation (VSS) 負荷による陰茎皮膚温度曲線 penothermo curve および陰茎増大記録 penile tumesce...

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Published in日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 74; no. 8; pp. 1423 - 1428
Main Authors 藤尾, 幸司, 三浦, 一陽, 中山, 孝一, 牧, 昭夫, 松橋, 求, 安藤, 弘, 村上, 憲彦, 白井, 将文, 高波, 真佐治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本泌尿器科学会 20.08.1983
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ISSN0021-5287
1884-7110
DOI10.5980/jpnjurol1928.74.8_1423

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Summary:REM睡眠期に一致してみられる勃起 nocturnal penile tumescence (NPT) の有無を利用して器質的インポテンスの鑑別が行なわれているが, Barry ら (1980) はより簡単な方法として官製切手を利用し, これを陰茎に巻きつけ夜間に切手の環がミシン目より切れるかどうかでNPTの有無を知る方法を試みている. われわれも38例のインポテンス患者に本検査を施行するとともに, 従来より施行している visual sexual stimulation (VSS) 負荷による陰茎皮膚温度曲線 penothermo curve および陰茎増大記録 penile tumescence monitoring の成績と比較し, その有用性を検討してみた. その結果, 38例中テスト紙が切れたものは32例 (84.2%), 全く切れなかつたものは6例 (15.2%) であつた. この6例中1例はVSS負荷試験でも器質的インポテンスの診断を受けたが, 残る5例 (13%) は機能的インポテンスの診断を受け, 両者の結果に一致をみなかつた. 本検査法は患者自身に行なわせる関係上, この程度の不一致は止むを得ないと考えられ, 検査方法が極めて簡単なことからインポテンスのスクリーニングテストとして十分使用する価値があると思われる.
ISSN:0021-5287
1884-7110
DOI:10.5980/jpnjurol1928.74.8_1423