血液センターの立場から
1986年6月に「血液製剤の適正使用ガイドライン」, !989年9月に「輸血療法の適正化ガイドライン」, 1993年9月には「血液製剤の保管・管理マニュアル」が厚生省から出され, 安全な血液製剤の適正かつ有効な輸血を推進するための枠組みが出来たと言える. これら厚生省の血液政策が実効を伴ったものになるためには, 輸血療法の進歩を支える血液センターの対応に大きく左右されることは明らかである. 輸血療法の適正化ガイドライン(以下輸血療法のガイドライン)の中から血液センターが関与している成分製剤の供給, 輸血副作用の原因検索, 自己血輸血への協力などを中心に述べる. 成分製剤の供給輸血療法のガイドラ...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 40; no. 5; pp. 848 - 850 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
01.11.1994
日本輸血学会 |
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ISSN | 0546-1448 1883-8383 |
DOI | 10.3925/jjtc1958.40.848 |
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Summary: | 1986年6月に「血液製剤の適正使用ガイドライン」, !989年9月に「輸血療法の適正化ガイドライン」, 1993年9月には「血液製剤の保管・管理マニュアル」が厚生省から出され, 安全な血液製剤の適正かつ有効な輸血を推進するための枠組みが出来たと言える. これら厚生省の血液政策が実効を伴ったものになるためには, 輸血療法の進歩を支える血液センターの対応に大きく左右されることは明らかである. 輸血療法の適正化ガイドライン(以下輸血療法のガイドライン)の中から血液センターが関与している成分製剤の供給, 輸血副作用の原因検索, 自己血輸血への協力などを中心に述べる. 成分製剤の供給輸血療法のガイドラインの中の輸血療法の考え方の項目には輸血によるリスクを減らすために, できるだけ供血者の数を少なくすることが重要であるとされている. 血液センターでは, 1986年に採血基準が改正され400m8献血及び成分献血が開始された. 特に成分献血に関しては血漿分画製剤の国内需給に向けて, 原料血漿確保のために全国の血液センターに成分採血装置が配備され, 原料血漿のみならず成分採血由来のアフェレーシス血小板の確保に向けて大きく動きだした. 一方, 400ml献血の普及につれて, 医療機関からの400ml由来の赤血球製剤の需給も増加し, 1992年1月に赤血球長期保存液であるMAPが承認されるに到って, 赤血球輸血の考え方を変えるきっかけになったといえる. |
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ISSN: | 0546-1448 1883-8383 |
DOI: | 10.3925/jjtc1958.40.848 |