キウイフルーツ‘レインボーレッド’ (Actinidia chinensis)におけるホルクロルフェニュロン液剤処理による収穫期前進の可能性

果実の大玉化と販売期間の拡大が課題であるキウイフルーツ‘レインボーレッド’で CPPU処理の影響を検討した.その結果,満開後30日以内に2.0∼4.0 ppm以上の浸漬処理により,収穫時の糖度および果肉の赤みは向上し,硬度とクエン酸含量は低下した.一方,果実肥大については,その効果は不安定であった.熟期の促進は明らかであったことから,収穫期が前進できる可能性が確認され,無処理と組み合わせれば,販売期間の拡大と収穫作業の分散の可能性が期待できた.しかしながら,8月下旬以降から落果が助長され,果皮は濃緑になり,果頂部が肥大することで商品性が低下する傾向を示したことから,今後はその影響を小さくするこ...

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Published in農作業研究 Vol. 47; no. 4; pp. 139 - 144
Main Author 村上, 覚
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農作業学会 20.12.2012
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ISSN0389-1763
1883-2261
DOI10.4035/jsfwr.47.139

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Summary:果実の大玉化と販売期間の拡大が課題であるキウイフルーツ‘レインボーレッド’で CPPU処理の影響を検討した.その結果,満開後30日以内に2.0∼4.0 ppm以上の浸漬処理により,収穫時の糖度および果肉の赤みは向上し,硬度とクエン酸含量は低下した.一方,果実肥大については,その効果は不安定であった.熟期の促進は明らかであったことから,収穫期が前進できる可能性が確認され,無処理と組み合わせれば,販売期間の拡大と収穫作業の分散の可能性が期待できた.しかしながら,8月下旬以降から落果が助長され,果皮は濃緑になり,果頂部が肥大することで商品性が低下する傾向を示したことから,今後はその影響を小さくすることと収穫期の前進程度を明らかにすることが課題である.
ISSN:0389-1763
1883-2261
DOI:10.4035/jsfwr.47.139