作業療法士国家試験模試の成績の違いによる学生の特徴把握と指導方法の検討 唾液アミラーゼ・ストレスコーピング・学習動機づけの尺度を用いて

目的:作業療法士国家試験(国試)を予定している大学生のストレス状態及びその対処様式,国試対策学習への動機づけの様式を評価し,特徴の把握と指導方法を検討することを目的とした. 方法:作業療法士国家試験の受験を控えた47名を対象に,ストレス状態を唾液アミラーゼモニターで評価した.さらに,学習動機づけ,ストレスコーピングの様式をアンケートとラザルス式ストレスコーピングインベントリーで評価した.評価は,模試の約1か月前に1回目,模試の約2週間前に2回目,模試の1‐2日前に3回目を実施した. 結果:模試の平均点より上の学生群(以下,平均上群)では,模試が近づくにつれて,唾液アミラーゼの値は低くなった.模...

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Published in保健医療学雑誌 Vol. 16; no. 1; pp. 8 - 19
Main Authors 𣘺本, 絢大, 有吉, 正則, 奥谷, 研, 坂口, 雄哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 保健医療学学会 01.04.2025
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ISSN2185-0399
DOI10.15563/jalliedhealthsci.16.8

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Summary:目的:作業療法士国家試験(国試)を予定している大学生のストレス状態及びその対処様式,国試対策学習への動機づけの様式を評価し,特徴の把握と指導方法を検討することを目的とした. 方法:作業療法士国家試験の受験を控えた47名を対象に,ストレス状態を唾液アミラーゼモニターで評価した.さらに,学習動機づけ,ストレスコーピングの様式をアンケートとラザルス式ストレスコーピングインベントリーで評価した.評価は,模試の約1か月前に1回目,模試の約2週間前に2回目,模試の1‐2日前に3回目を実施した. 結果:模試の平均点より上の学生群(以下,平均上群)では,模試が近づくにつれて,唾液アミラーゼの値は低くなった.模試の平均点より下の学生群(以下,平均下群)では,1回目と2回目の値を比較すると2回目の唾液アミラーゼの値は低かった.学習動機づけの様式は,平均上群,平均下群ともに,内発的動機づけの割合が低い傾向がみられた.ストレスコーピングの様式は,平均上群では情動的ストラテジーよりも認知的ストラテジーを用いている学生が多く,平均下群ではほぼ同数だった. 考察:平均上群,平均下群ともに学生のストレス状態は,国試対策学習により軽減された可能性がある.また,学習動機づけの様式では,内発的動機づけを強化する必要がある.一方,ストレスコーピングの様式には,それぞれ特徴がみられたため,学生に応じた指導を行う必要性が示唆された.
ISSN:2185-0399
DOI:10.15563/jalliedhealthsci.16.8