免疫化学的測定法による前立腺酸性フォスファターゼ 第4報 免疫化学的測定法とラジオイムノアッセイによる比較検討

前立腺癌患者16例, 前立腺肥大症患者18例, 他臓器癌患者11例および正常人男女性7例について, immunochemical method による prostatic acid phosphatase (PAPase) 活性, 従来の酵素活性測定法およびRIAによるPAPaseについて比較検討した. 正常人男女性および他臓器癌患者においては, いずれの測定法でも false positive の症例は認めず, 前立腺肥大患者においてはRIAによるPAPaseでは18例中2例に, 全酵素活性値および immunochemical method によるPAPase活性値の全酵素活性値に対する割...

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Published in日本泌尿器科學會雑誌 Vol. 74; no. 6; pp. 945 - 955
Main Authors 石山, 俊次, 栗山, 学, 加藤, 直樹, 説田, 修, 沢田, 英夫, 出口, 隆, 藤本, 佳則, 村中, 幸二, 酒井, 俊助, 河田, 幸道, 西浦, 常雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本泌尿器科学会 20.06.1983
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ISSN0021-5287
1884-7110
DOI10.5980/jpnjurol1928.74.6_945

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Summary:前立腺癌患者16例, 前立腺肥大症患者18例, 他臓器癌患者11例および正常人男女性7例について, immunochemical method による prostatic acid phosphatase (PAPase) 活性, 従来の酵素活性測定法およびRIAによるPAPaseについて比較検討した. 正常人男女性および他臓器癌患者においては, いずれの測定法でも false positive の症例は認めず, 前立腺肥大患者においてはRIAによるPAPaseでは18例中2例に, 全酵素活性値および immunochemical method によるPAPase活性値の全酵素活性値に対する割合では, それぞれ18例中1例に false positive の症例を認めたが, L-tartrate 阻害および immuno-chemical method によるPAPase活性値では1例も認めなかつた. 前立腺癌患者における stage T1 T2群の陽性症例は, 全酵素活性値および Ltartrate 阻害によるPAPase活性値では1例も認められなかつたが, immunochemical method によるPAPase活性値では7例中2例, immunochemical method によるPAPase活性値の全酵素活性値に対する割合では7例中3例, RIAにおいては7例中1例に陽性を認めた. 以上の結果より, immunochemical method によるPAPase活性はRIAに劣らず前立腺癌の診断に有用と考えられる.
ISSN:0021-5287
1884-7110
DOI:10.5980/jpnjurol1928.74.6_945