側頭下顎障害患者における咀嚼運動経路の安定性の定量的評価
側頭下顎障害 (TMD) 患者の咀嚼運動経路の安定性を客観的に評価する目的で, 20歳代の女性健常者20名 (健常群) と女性TMD患者20名 (TMD群) に主咀嚼側でチューインガム, ピーナッツ, 硬パンを咀嚼させ, 咀嚼開始後の第5サイクルからの10サイクルについて, 運動経路の安定性を表す開口時側方成分, 閉口時側方成分, 垂直成分のSD/OD (標準偏差/開口量) をそれぞれ算出後, 両群間で比較した。その結果, 開口時側方成分, 閉口時側方成分, 垂直成分のSD/ODは, いずれの食品咀嚼時でも, TMD群のほうが健常群よりも大きな値を示し, 開口時側方成分 (チューインガム咀嚼時...
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Published in | TMJ : journal of Japanese Society for Temporomandibular Joint : 日本顎関節学会雑誌 Vol. 15; no. 1; pp. 37 - 42 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本顎関節学会
20.04.2003
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Subjects | |
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ISSN | 0915-3004 1884-4308 |
DOI | 10.11246/gakukansetsu1989.15.37 |
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Summary: | 側頭下顎障害 (TMD) 患者の咀嚼運動経路の安定性を客観的に評価する目的で, 20歳代の女性健常者20名 (健常群) と女性TMD患者20名 (TMD群) に主咀嚼側でチューインガム, ピーナッツ, 硬パンを咀嚼させ, 咀嚼開始後の第5サイクルからの10サイクルについて, 運動経路の安定性を表す開口時側方成分, 閉口時側方成分, 垂直成分のSD/OD (標準偏差/開口量) をそれぞれ算出後, 両群間で比較した。その結果, 開口時側方成分, 閉口時側方成分, 垂直成分のSD/ODは, いずれの食品咀嚼時でも, TMD群のほうが健常群よりも大きな値を示し, 開口時側方成分 (チューインガム咀嚼時: t=4.78, p<0.01, ピーナッツ咀嚼時: t=3.73, p<0.01, 硬パン咀嚼時: t=2.60, p<0.05), 閉口時側方成分 (チューインガム咀嚼時: t=4.37, p<0.01, ピーナッツ咀嚼時: t=2.61, p<0.05, 硬パン咀嚼時: t=2.97, p<0.01), 垂直成分 (チューインガム咀嚼時: t=6.25, p<0.01, ピーナッツ咀嚼時: t=3.15, p<0.01, 硬パン咀嚼時: t=2.57, p<0.05) のいずれにおいても両群間に有意差が認められた。これらのことから, TMD患者の咀嚼運動経路は, 不安定であることが確認された。 |
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ISSN: | 0915-3004 1884-4308 |
DOI: | 10.11246/gakukansetsu1989.15.37 |