乳癌検診システムの精度向上に向けて

行政の施策として行われるがん検診(対策型検診)では,有効な検診を,正しく,より多くの人に行うことが求められる。仙台市では2001年度のマンモグラフィ検診の導入に際して,ガイドラインに従った体制を整備したが,要精査率が高く,陽性反応的中度が低い結果であった。その後,検診結果のプロセス指標を検討し,検診医の指導体制や精査機関との情報共有を図った結果,最近では改善がみられ,2001年には10.1%であった要精検率は,2006年には6.6%までに低減し,一方でがん発見率は0.34~0.46%の高水準を維持している。よい検診を行うためには,スクリーニングの精度のみならず,精密検査を含めた診断システム全体...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本乳癌検診学会誌 Vol. 18; no. 1; pp. 13 - 19
Main Authors 伊藤, 聰彦, 鈴木, 昭彦, 大内, 憲明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会 30.03.2009
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0918-0729
1882-6873
DOI10.3804/jjabcs.18.13

Cover

More Information
Summary:行政の施策として行われるがん検診(対策型検診)では,有効な検診を,正しく,より多くの人に行うことが求められる。仙台市では2001年度のマンモグラフィ検診の導入に際して,ガイドラインに従った体制を整備したが,要精査率が高く,陽性反応的中度が低い結果であった。その後,検診結果のプロセス指標を検討し,検診医の指導体制や精査機関との情報共有を図った結果,最近では改善がみられ,2001年には10.1%であった要精検率は,2006年には6.6%までに低減し,一方でがん発見率は0.34~0.46%の高水準を維持している。よい検診を行うためには,スクリーニングの精度のみならず,精密検査を含めた診断システム全体の精度向上が望まれる。システムを円滑に運営するための問題点は多いが,検診事業者は精度管理の重要性を理解し,適切に運用されるよう努力を続ける必要がある。
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.18.13