聴覚過敏を主訴とした複数の感覚過敏を有する症例の検討 “Sensory Modulation Disorder”という疾患概念と耳鼻咽喉科医が留意すべき点について

聴覚過敏を主訴とした患者に対して, ほかの感覚器の過敏症状を問診・質問票による検査をしたところ, 複数の感覚過敏を有する5例を発見した.「感覚過敏」と本論文では命名し, その臨床的特徴を報告する. 主訴に対する聴覚過敏質問票に加えて, 複数の感覚過敏に対する質問票「感覚プロファイル」を用いて過敏, 回避, 探求, 低登録について検査した. 同時に視覚過敏は5例で, 触覚過敏は4例で訴えたが, 嗅覚と味覚過敏を訴えた例はなかった. 病態には中枢における感覚制御障害が存在することが考えられる. 感覚過敏の検査法, 診断法, 治療についてはまだ確立されておらず, 今後の検討を要する....

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 123; no. 3; pp. 236 - 242
Main Authors 神崎, 晶, 熊崎, 博一, 大石, 直樹, 片岡, ちなつ, 藤岡, 正人, 鈴木, 法臣, 粕谷, 健人, 松崎, 佐栄子, 田副, 真美, 小川, 郁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.03.2019
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.123.236

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Summary:聴覚過敏を主訴とした患者に対して, ほかの感覚器の過敏症状を問診・質問票による検査をしたところ, 複数の感覚過敏を有する5例を発見した.「感覚過敏」と本論文では命名し, その臨床的特徴を報告する. 主訴に対する聴覚過敏質問票に加えて, 複数の感覚過敏に対する質問票「感覚プロファイル」を用いて過敏, 回避, 探求, 低登録について検査した. 同時に視覚過敏は5例で, 触覚過敏は4例で訴えたが, 嗅覚と味覚過敏を訴えた例はなかった. 病態には中枢における感覚制御障害が存在することが考えられる. 感覚過敏の検査法, 診断法, 治療についてはまだ確立されておらず, 今後の検討を要する.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.123.236