4.高齢膀胱癌患者におけるロボット支援膀胱全摘除術の耐術性とフレイル評価 過剰医療と過少医療の回避

一部の非筋層浸潤膀胱癌と筋層浸潤膀胱癌に対するロボット支援膀胱全摘除術(RARC)は標準的術式である.しかしながら,日本人の平均寿命が伸びていること,ロボット手術による術式の進化によりさらに安全な手術が行える可能性があることから高齢患者における本術式の適応の判断は難しい.現状として,耐術能の判断しうる最も有効な手段のうちの一つはフレイルの診断である.しかしながら,フレイルのスクリーニング,ひいては高齢者総合的機能評価(Comprehensive Geriatric Assessment:CGA)まで評価を行ってからRARCを施行する流れでは時間的にも人員的にも実臨床にそぐわないケースが多い.将...

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Published in日本老年医学会雑誌 Vol. 60; no. 1; pp. 38 - 42
Main Authors 山田, 雄太, 久米, 春喜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年医学会 25.01.2023
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ISSN0300-9173
DOI10.3143/geriatrics.60.38

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Summary:一部の非筋層浸潤膀胱癌と筋層浸潤膀胱癌に対するロボット支援膀胱全摘除術(RARC)は標準的術式である.しかしながら,日本人の平均寿命が伸びていること,ロボット手術による術式の進化によりさらに安全な手術が行える可能性があることから高齢患者における本術式の適応の判断は難しい.現状として,耐術能の判断しうる最も有効な手段のうちの一つはフレイルの診断である.しかしながら,フレイルのスクリーニング,ひいては高齢者総合的機能評価(Comprehensive Geriatric Assessment:CGA)まで評価を行ってからRARCを施行する流れでは時間的にも人員的にも実臨床にそぐわないケースが多い.将来的には,耐術能を直接的に判断できるスクリーニング・ツールの開発が待たれるところである.
ISSN:0300-9173
DOI:10.3143/geriatrics.60.38