鏡の普及と自己認識の変容を考える (2)大正期の住空間をめぐる論争と「文明ノ程度」
工学系研究者の間でしばしば「人と人工物との関係」に言及される.この関係を中長期的に捉えれば,それは歴史家の関心とも重なる.本稿では人々の自己認識に潜在的に大きな影響与える人工物としての鏡に注目する.日本では明治時代に板ガラスの生産が工業的に可能になり,平面ガラス鏡の製造も可能となった.人々ははじめて現代に近い形で鏡を見て自身の姿に接し,様々な反応を示した.本稿では続く大正時代における住空間をめぐる論争とその底流にあった,当時の「文明ノ程度」への懸念を紹介する....
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| Published in | 生産研究 Vol. 75; no. 3; pp. 243 - 247 |
|---|---|
| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
東京大学生産技術研究所
01.08.2023
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0037-105X 1881-2058 |
| DOI | 10.11188/seisankenkyu.75.243 |
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| Summary: | 工学系研究者の間でしばしば「人と人工物との関係」に言及される.この関係を中長期的に捉えれば,それは歴史家の関心とも重なる.本稿では人々の自己認識に潜在的に大きな影響与える人工物としての鏡に注目する.日本では明治時代に板ガラスの生産が工業的に可能になり,平面ガラス鏡の製造も可能となった.人々ははじめて現代に近い形で鏡を見て自身の姿に接し,様々な反応を示した.本稿では続く大正時代における住空間をめぐる論争とその底流にあった,当時の「文明ノ程度」への懸念を紹介する. |
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| ISSN: | 0037-105X 1881-2058 |
| DOI: | 10.11188/seisankenkyu.75.243 |