酸化物触媒によるエタノールの脱水・脱水素反応機構の計算化学的検討
SiO2、TiO2、ZnO、MnO、MgOおよびCdOの6種類の酸化物上でのエタノールの脱水・脱水素反応機構をDV-Xα法により検討した。表面エトキシドを経由する機構およびEuckenらが提唱する表面金属原子および酸素原子とエタノールとが相互作用する機構の遷移状態モデルの計算を行った。 その結果、表面エトキシドを経由する反応機構は、実際の実験結果に照らして、Euckenらが提唱する反応機構より合理的であることが判明した。また、塩基点による表面エトキシドからのβ水素の引抜きが脱水反応の律速段階であり、その難易が触媒の脱水・脱水素反応選択性を決める要因のひとつであると推定した。...
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Published in | Journal of Chemical Software Vol. 4; no. 3; pp. 89 - 100 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本コンピュータ化学会
15.09.1998
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0918-0761 1883-8359 |
DOI | 10.2477/jchemsoft.4.89 |
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Summary: | SiO2、TiO2、ZnO、MnO、MgOおよびCdOの6種類の酸化物上でのエタノールの脱水・脱水素反応機構をDV-Xα法により検討した。表面エトキシドを経由する機構およびEuckenらが提唱する表面金属原子および酸素原子とエタノールとが相互作用する機構の遷移状態モデルの計算を行った。 その結果、表面エトキシドを経由する反応機構は、実際の実験結果に照らして、Euckenらが提唱する反応機構より合理的であることが判明した。また、塩基点による表面エトキシドからのβ水素の引抜きが脱水反応の律速段階であり、その難易が触媒の脱水・脱水素反応選択性を決める要因のひとつであると推定した。 |
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ISSN: | 0918-0761 1883-8359 |
DOI: | 10.2477/jchemsoft.4.89 |