天理よろづ相談所病院における体外循環5,000例の変遷 症例数,疾患の年代別推移について

天理よろづ相談所病院では,1966年の開設当時より,体外循環を用いた心臓手術が行われ,1993年には5,000例を越える体外循環を経験した。そこで,今回1966年から1993年までの5,235例について症例数,疾患,年齢等について年代別推移を検討した。年代別症例数の推移は,1983年まで年々増加し273例に達し,その後は,200例前後で推移しており,28年間の平均年間症例数は193例である。小児例(16歳未満),成人例の症例数の推移は小児例が減少し,成人例が増加してきた。平均年齢の推移は,小児例では低年齢化,成人例では高齢化の傾向がみられた。平均体重の推移は,小児例では年々減少し低体重となって...

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Published in体外循環技術 Vol. 21; no. 1; pp. 110 - 114
Main Authors 上田, 裕一, 森岡, 浩一, 田畑, 隆文, 酒井, 哲郎, 吉田, 秀人, 高橋, 浩, 田崎, 昭夫, 荻野, 均, 三木, 成仁, 松阪, 淳, 二重, 実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 25.03.1995
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/hokkaidoshakai.21.110

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Summary:天理よろづ相談所病院では,1966年の開設当時より,体外循環を用いた心臓手術が行われ,1993年には5,000例を越える体外循環を経験した。そこで,今回1966年から1993年までの5,235例について症例数,疾患,年齢等について年代別推移を検討した。年代別症例数の推移は,1983年まで年々増加し273例に達し,その後は,200例前後で推移しており,28年間の平均年間症例数は193例である。小児例(16歳未満),成人例の症例数の推移は小児例が減少し,成人例が増加してきた。平均年齢の推移は,小児例では低年齢化,成人例では高齢化の傾向がみられた。平均体重の推移は,小児例では年々減少し低体重となっている。原疾患については,先天性心疾患は,複雑心奇形が増加する傾向にある。一方,後天性疾患では,弁膜症が減少し,虚血性心疾患,胸部大動脈瘤が増加してきた。また,再手術症例や緊急手術も増加してきた。1987年以降の人工心肺装置の操作は技師に任され,現在1,000例近くの経験となった。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.21.110