鏡視下腱板修復術(ARCR)が周術期に及ぼす影響 X線,CTを用いた評価

【はじめに】鏡視下腱板修復術(ARCR)術後に肩関節のX線撮影を行うが,同時に撮像される胸部の観察を忘れてしまう傾向にある.術後X線画像で気胸を認めた症例を経験したため,安全管理目的で撮影した術後の胸部CTを評価した.本研究の目的は,ARCR後の胸部CT画像の各種所見を把握し,全身状態に影響する所見かどうか判断することである.【方法】2021年7月から2021年11月までに初回のARCRを施行した患者の術直後の胸部CT画像を後ろ向きに検討した.【結果】症例は10例(男性7例,女性3例,平均年齢67.3歳)であった.皮下気腫を10例,患側の胸水を7例,患側有意の両側無気肺を6例認めた.術後に全身...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 3; pp. 382 - 385
Main Authors 衛藤, 凱, 進, 訓央, 松本, 祐季, 兼川, 雄次, 松浦, 恒明, 手島, 鋭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.382

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Summary:【はじめに】鏡視下腱板修復術(ARCR)術後に肩関節のX線撮影を行うが,同時に撮像される胸部の観察を忘れてしまう傾向にある.術後X線画像で気胸を認めた症例を経験したため,安全管理目的で撮影した術後の胸部CTを評価した.本研究の目的は,ARCR後の胸部CT画像の各種所見を把握し,全身状態に影響する所見かどうか判断することである.【方法】2021年7月から2021年11月までに初回のARCRを施行した患者の術直後の胸部CT画像を後ろ向きに検討した.【結果】症例は10例(男性7例,女性3例,平均年齢67.3歳)であった.皮下気腫を10例,患側の胸水を7例,患側有意の両側無気肺を6例認めた.術後に全身状態の悪化を起こした症例はなかった.【結語】ARCR術後の皮下気腫,胸水,無気肺はよく起こりうる病態であるが,術後の全身状態への影響は小さいことが示唆された.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.382