潜堤周辺の砕波・乱流特性を考慮した海浜流場予測モデルに関する一考察

本研究では潜堤周辺における複雑な波・流れ場を精度良く予測できるモデルの構築を目的とする. まず平面実験を行い, 入射波条件に応じて変化する海浜流場をPTV法を用いて可視化した. 次にBoussinesq方程式法に透水層と砕波減衰を考慮した数値モデルを構築し, 実験条件に適用してその妥当性を検証した. 等方拡散型の砕波モデルでは潜堤開口部での線流量の沿岸方向の急激な変化によって砕波減衰が過大評価され, また砕波に伴う拡散係数が通常の海浜流計算のそれよりも1オーダー大きく海浜流速が過小評価された. これに対して拡散係数に異方性を考慮することにより, 波・流れ場の再現精度が大幅に改善されることが分か...

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Published in海岸工学論文集 Vol. 53; pp. 106 - 110
Main Authors 田島, 芳満, 鈴木, 淳也, 下園, 武範, 佐藤, 愼司, 磯部, 雅彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 土木学会 10.10.2006
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ISSN0916-7897
1884-8222
DOI10.2208/proce1989.53.106

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Summary:本研究では潜堤周辺における複雑な波・流れ場を精度良く予測できるモデルの構築を目的とする. まず平面実験を行い, 入射波条件に応じて変化する海浜流場をPTV法を用いて可視化した. 次にBoussinesq方程式法に透水層と砕波減衰を考慮した数値モデルを構築し, 実験条件に適用してその妥当性を検証した. 等方拡散型の砕波モデルでは潜堤開口部での線流量の沿岸方向の急激な変化によって砕波減衰が過大評価され, また砕波に伴う拡散係数が通常の海浜流計算のそれよりも1オーダー大きく海浜流速が過小評価された. これに対して拡散係数に異方性を考慮することにより, 波・流れ場の再現精度が大幅に改善されることが分かった.
ISSN:0916-7897
1884-8222
DOI:10.2208/proce1989.53.106