ストレッチポール使用における腹直筋に関する表面筋電図を用いた検討 再現性の検討

【目的】第43回全国理学療法学術大会において、ストレッチポールが腹直筋に関するアプローチに有効であると報告した。今回は方法の再考と再現性の確認を目的とし、ストレッチポール上における腹直筋の筋活動について表面筋電図を用いて検討した。【方法】対象は、前回と同様の被験者で、神経疾患のない健常男性9名。平均年齢32±3.4歳、身長172±2.8cm、体重62±2.9kgであった。対象には検査内容について十分な説明を行い、同意を得た。方法も前回と同様とし、床上とストレッチポールにおいて、1)安静臥位:背臥位にて股関節・膝関節屈曲位、2)右上肢挙上位:1)の肢位から右肩関節屈曲90°肩甲骨前方突出位、3)...

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Published in関東甲信越ブロック理学療法士学会 p. 125
Main Authors 宮前, 篤, 伊藤, 修一, 高橋, 修, 赤星, 和人(MD), 永田, 雅章(MD), 小林, 準, 菊池, 俊明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会 2009
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ISSN0916-9946
2187-123X
DOI10.14901/ptkanbloc.28.0.125.0

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Summary:【目的】第43回全国理学療法学術大会において、ストレッチポールが腹直筋に関するアプローチに有効であると報告した。今回は方法の再考と再現性の確認を目的とし、ストレッチポール上における腹直筋の筋活動について表面筋電図を用いて検討した。【方法】対象は、前回と同様の被験者で、神経疾患のない健常男性9名。平均年齢32±3.4歳、身長172±2.8cm、体重62±2.9kgであった。対象には検査内容について十分な説明を行い、同意を得た。方法も前回と同様とし、床上とストレッチポールにおいて、1)安静臥位:背臥位にて股関節・膝関節屈曲位、2)右上肢挙上位:1)の肢位から右肩関節屈曲90°肩甲骨前方突出位、3)右Active Straight Leg Raising(以下ASLR):1)の肢位から右ASLRの運動を3パターンとし、それぞれの運動において腹直筋の等尺性収縮を測定した。表面筋電図はNeuropackMEB2200(日本光電社製)を使用し、測定の際に交流障害がないことを確認した。測定筋は左右の筋とし、双極導出とした電極を左右対称に設置した。サンプリング周波数は10kHzとした。測定時間は10秒間で、 1秒間ずつで3箇所取り出し、その平均値を算出した。また,筋電図の解析はRoot Mean Square値(以下RMS値)を用いた。統計は、各体位における床上とストレッチポールのRMS比(ストレッチポール/床上)を求めて平均変化率を算出し、左右の腹直筋における3パターンの運動について1元配置分散分析を行った。有意水準は5%とした。【結果】平均変化率は、前回の右腹直筋では安静臥位、右上肢挙上、右ASLRはそれぞれ131±25% 、124±29% 、184±68%。今回は122±54%、189±49%、339±237%。また、前回の左腹直筋では、安静臥位、右上肢挙上、右ASLRはそれぞれ132±28%、171±72%、142±68%、今回は107±20%、110±56%、220±142%と、いずれもストレッチポールで増加した。有意差は右ASLRのときの左右腹直筋にみられた。【考察】前回の結果と同様にストレッチポールの使用により、腹直筋の筋活動が増加する傾向を示した。特に、右のSLRにおいて左右腹直筋の平均変化率が高い傾向を示し、ストレッチポールが腹直筋の筋活動を増加させ、体幹に関するアプローチの一手段となることを改めて示すものと考えられた。しかしながら、各個人については前回と平均変化率が異なり、電極の位置や皮膚抵抗及び脂肪量の変化、動作遂行の正確性などが測定日の相違によって生じた為と考えられた。
Bibliography:125
ISSN:0916-9946
2187-123X
DOI:10.14901/ptkanbloc.28.0.125.0