居住水準向上と住環境保全を両立させる地域地区見直し方法に関する研究(1) 大都市郊外住宅地を中心に
近代都市計画制緩和の圧力が強まっている。また,東京大都市圏を中心に地価が暴騰し,この結果として,特に一戸建住宅地に対する支払い能力との関係で,規制の厳しい第1種住居専用地域において規制緩和圧力が強まっている。こうした圧力に対して単に緩和を行なうだけでは,基準値が本来目的としていた空間の形成が妨げられるばかりか,今まで確保されてきた住環境をも悪化させることになりかねない。そこで本研究は,指定された用途地域の制限,中でも容積率・建蔽率が相対的に厳しくなりつつある大都市郊外住宅地に焦点を絞り,そうした地域に発生する各種の需要,とりわけ居住水準の向上と住環境の保全を実現しながら,今後の「変容」をより望...
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| Published in | 住宅総合研究財団研究年報 Vol. 18; pp. 161 - 170 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般財団法人 住総研
1992
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0916-1864 2423-9879 |
| DOI | 10.20803/jusokennen.18.0_161 |
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| Summary: | 近代都市計画制緩和の圧力が強まっている。また,東京大都市圏を中心に地価が暴騰し,この結果として,特に一戸建住宅地に対する支払い能力との関係で,規制の厳しい第1種住居専用地域において規制緩和圧力が強まっている。こうした圧力に対して単に緩和を行なうだけでは,基準値が本来目的としていた空間の形成が妨げられるばかりか,今まで確保されてきた住環境をも悪化させることになりかねない。そこで本研究は,指定された用途地域の制限,中でも容積率・建蔽率が相対的に厳しくなりつつある大都市郊外住宅地に焦点を絞り,そうした地域に発生する各種の需要,とりわけ居住水準の向上と住環境の保全を実現しながら,今後の「変容」をより望ましい方向に導く方法を,実証的スタディーの積み重ねの中から提案することを目的としている。まず第1章では,郊外住宅地の研究動向を踏まえて本研究の位置づけを行なっている。特にここでは,用途地域の指定効果に関する研究がこれまで少なかったこと,したがって規制緩和の効果に関する研究がほとんどなされておらずしたがって本研究の意義が大きいことを示している。次の第2章では,第一種住居専用地域をめぐる動向として,第一種住居専用地域の制度的側面と第一種住居専用地域指定のマクロな実態に関する側面とに分けて考察している。さらに,こうした地域の規制緩和が,東京大都市圏郊外住宅地に顕著であることを明らかにしている。続く第3章は横浜市の,第4章は川崎市のケーススタディーである。前者は容積率の緩和を後者は建蔽率と容積率の緩和を行なったが,それらがどのような結果をもたらしたかについて実態調査とアンケート調査を通して実証的に明らかにしている。第5章は,第1章から第4章を踏まえて,新しい用途地域見直し方法の具体的提案を行なっている。 |
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| ISSN: | 0916-1864 2423-9879 |
| DOI: | 10.20803/jusokennen.18.0_161 |