研究 運動負荷にてST上昇を認めた17例について 冠動脈造影時のエルゴノヴィン負荷エルゴメーター試験

Master2段階試験,またはTreadmillによる運動負荷にて,ST上昇を認めた17名(男14名,女3名,平均年齢57.8歳)に冠動脈造影を実施した.臨床診断は異型狭心症5例,労作兼安静狭心症9例,陳旧性心筋梗塞症1例であり,他に再現性のない労作性狭心症2例も含まれていた. 造影時にergonovine負荷を11例に行い,全例で冠動脈攣縮が誘発された. そのうち,10例では運動負荷時とほぼ同一の誘導でST上昇を認めた. また,造影時に自転車ergometer試験を8例に施行し,4例に冠動脈攣縮が誘発され,3例はST上昇を,1例はST低下を伴った.このうち2例では,ergonovine負荷に...

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Published in心臓 Vol. 13; no. 8; pp. 903 - 912
Main Authors 和田, 泰三, 服部, 隆一, 加藤, 達治, 中村, 展招, 伊藤, 幸義, 高地, 恭二, 西村, 健司, 大重, 太真男, 乗本, 業文, 延吉, 正清, 野坂, 秀行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 25.08.1981
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.13.8_903

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Summary:Master2段階試験,またはTreadmillによる運動負荷にて,ST上昇を認めた17名(男14名,女3名,平均年齢57.8歳)に冠動脈造影を実施した.臨床診断は異型狭心症5例,労作兼安静狭心症9例,陳旧性心筋梗塞症1例であり,他に再現性のない労作性狭心症2例も含まれていた. 造影時にergonovine負荷を11例に行い,全例で冠動脈攣縮が誘発された. そのうち,10例では運動負荷時とほぼ同一の誘導でST上昇を認めた. また,造影時に自転車ergometer試験を8例に施行し,4例に冠動脈攣縮が誘発され,3例はST上昇を,1例はST低下を伴った.このうち2例では,ergonovine負荷にても同一の部位に同様の攣縮を認めた. 75%以上の高度狭窄病変は,下壁誘導でST上昇を示した症例群より,胸部誘導でST上昇を呈した症例群に多く存在した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.13.8_903