臨床 Procainamide長期経口投与法の心室性期外収縮に対する効果 Holter心電図と血中濃度測定による検討

Lown分類でgrade II以上の心室性期外収縮(VPC)を有する症例を対象とし,procainamide(PA)の1日3回毎食後経口投与法のVPCに対する効果を24時間Holter心電図にて判定し,投与後1-4時間のPA,およびN-acetylprocainamide(NAPA)の平均血中濃度と比較した.その結果VPC減少率65%を有効とした場合,有効血中濃度はPAで4μg/ml以上PA+NAPAで8μg/ml以上(ただし後者ではPA3μg/ml以上が必要)であった.PAの体重当たりの1日投与量と血清creatinine値の積と,PAの血中濃度の間に有意な正の相関を認め,その関係より腎機能...

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Published in心臓 Vol. 18; no. 6; pp. 643 - 650
Main Authors 菅田, 芳文, 村上, 実, 板垣, 健二, 渡部, 真司, 横田, 芳久, 加納, 裕, 加藤, 善久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.06.1986
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.18.6_643

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Summary:Lown分類でgrade II以上の心室性期外収縮(VPC)を有する症例を対象とし,procainamide(PA)の1日3回毎食後経口投与法のVPCに対する効果を24時間Holter心電図にて判定し,投与後1-4時間のPA,およびN-acetylprocainamide(NAPA)の平均血中濃度と比較した.その結果VPC減少率65%を有効とした場合,有効血中濃度はPAで4μg/ml以上PA+NAPAで8μg/ml以上(ただし後者ではPA3μg/ml以上が必要)であった.PAの体重当たりの1日投与量と血清creatinine値の積と,PAの血中濃度の間に有意な正の相関を認め,その関係より腎機能正常な標準的な日本人では,PAの1日投与量として2,000-3,000mgが必要であると考えられた.PA投与前後のVPCの日内変動patternの変化より,PA投与により夜間のVPC数は相対的に増す傾向を認め,PAの血中濃度も早朝には著明な低下を示した.このことから分3投与よりは就寝前も含めた分4投与が望ましいと思われた.しかしながら分3投与で深夜から早朝にかけてもVPCの減少を認めた症例があり,血中半減期の長いNAPAの効果と考えられた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.18.6_643