一歩先のQOLを目指して 旅行の場を活用したリハビリテーションの試み 「旅リハ in 沖縄!」
【はじめに】横浜市総合リハビリテーションセンター(以下リハセンターとする)には、障害者スポーツ文化センター横浜ラポール(以下ラポールとする)が隣接している。リハセンター入院、入所期間中から積極的にラポールを利用し、リハセンター終了後のひとつの活動の場として定着している。しかし、そこはひとつの守られた環境下での活動であり、より自由な社会参加の形を模索する必要がある。今回、活動の場を広げる試みとして、「旅リハ」を実施したので、活動の内容について報告する。「旅リハ」は、この試みの中で生まれた言葉である。 【目的】この試みには、大きく2つの目的がある。1)参加者が「旅リハ」経験後に、自身で計画した「私...
        Saved in:
      
    
          | Published in | 関東甲信越ブロック理学療法士学会 p. 91 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
    
        2008
     | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0916-9946 2187-123X  | 
| DOI | 10.14901/ptkanbloc.27.0.91.0 | 
Cover
| Summary: | 【はじめに】横浜市総合リハビリテーションセンター(以下リハセンターとする)には、障害者スポーツ文化センター横浜ラポール(以下ラポールとする)が隣接している。リハセンター入院、入所期間中から積極的にラポールを利用し、リハセンター終了後のひとつの活動の場として定着している。しかし、そこはひとつの守られた環境下での活動であり、より自由な社会参加の形を模索する必要がある。今回、活動の場を広げる試みとして、「旅リハ」を実施したので、活動の内容について報告する。「旅リハ」は、この試みの中で生まれた言葉である。 【目的】この試みには、大きく2つの目的がある。1)参加者が「旅リハ」経験後に、自身で計画した「私の旅」に出かけられること。2)障害をもった人たちが楽しめる旅行計画の立案、実施方法についての経験と情報の蓄積を旅行代理店などへ技術移転すること。 【概要】参加者のうち障害当事者は、脳卒中後片まひ者を対象にしたリハスポーツの体験教室卒業生で、男性10名、女性5名の計15名である。移動能力は、常時歩行12名、屋外車いす併用3名となっている。その他、家族9名、スタッフとして体育指導員3名、理学療法士、リハ医師、看護師、添乗員各1名が加わり、計31名が参加した。事前に、旅行準備、リスク、旅先での健康管理などに対して個別にサポートした。旅行を通して専門職は一参加者であり、自由行動時の見守りなど必要最小限の介入にとどまるように配慮した。沖縄往復は飛行機、現地での移動は主に観光バス利用の3泊4日の日程で、沖縄観光、現地リハ病院利用者との交流会を実施した。観光地では、各自が考えた同伴者との別行動など、参加者の希望にあわせたプランも盛り込んだ。 【結果】参加者にとっては、専門職が参加しているという安心感に加え、仲間からの刺激もあり、首里城の階段を歩いて上がる、ホテルの大浴場に入る、同伴者と離れて過ごすなどの新たな挑戦が行なえた。さらに、余裕をもった行動計画を作成したので、各自のペースで混乱することなく行動することができ、障害者当事者と家族の満足度は高かった。現在「旅リハ」参加者に対してアンケート調査を実施中であり、発表は調査結果を含めて報告する。 【まとめ】新たな社会参加の機会として「旅リハ」を試みた。すべての参加者が旅行を楽しみ、施設を離れた場でのリハの可能性について再確認した。障害当事者への旅行支援における専門職の役割については、今後「旅リハ」を継続的に行なっていく中で整理していく必要がある。 | 
|---|---|
| Bibliography: | 73 | 
| ISSN: | 0916-9946 2187-123X  | 
| DOI: | 10.14901/ptkanbloc.27.0.91.0 |