研究会 第1回不整脈薬物治療フォーラム 発作性心房細動はやがてどうなるか 14年間のフォローアップによる検討

発作性心房細動の初発から当院でフォローアップしている171例の経過を検討した.平均フォローアップ期間は14.1±8.1年.基礎心疾患は,88例,虚血性心疾患28例,肥大型/拡張型心筋症17例,弁膜疾患35例,心臓手術の既往26例が認められた.フォローアップ中に投与された抗不整脈薬はIa群抗不整脈薬62.0%,Ib群抗不整脈薬26.3%,Ic群抗不整脈薬46.2%,II群抗不整脈薬40.4%,III群抗不整脈薬0.6%,ジギタリス52.6%で,電気的除細動が52.6%に実施されていた. 発作性心房細動の発症年齢は平均58.3±11.8歳で,基礎心疾患の有無では有意な差は認められなかった.約14年...

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Published in心臓 Vol. 36; no. 3; pp. 249 - 251
Main Authors 傅, 隆泰, 相良, 耕一, 加藤, 武史, 山下, 武志, 飯沼, 宏之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 15.03.2004
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.36.3_249

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Summary:発作性心房細動の初発から当院でフォローアップしている171例の経過を検討した.平均フォローアップ期間は14.1±8.1年.基礎心疾患は,88例,虚血性心疾患28例,肥大型/拡張型心筋症17例,弁膜疾患35例,心臓手術の既往26例が認められた.フォローアップ中に投与された抗不整脈薬はIa群抗不整脈薬62.0%,Ib群抗不整脈薬26.3%,Ic群抗不整脈薬46.2%,II群抗不整脈薬40.4%,III群抗不整脈薬0.6%,ジギタリス52.6%で,電気的除細動が52.6%に実施されていた. 発作性心房細動の発症年齢は平均58.3±11.8歳で,基礎心疾患の有無では有意な差は認められなかった.約14年間のフォローアップ期間中に,132例(77.2%)が年率5.5%で慢性心房細動に移行した.発作性心房細動発症から,10年後および20年後の洞調律維持率はそれぞれ42.9%,10.6%であった.洞調律維持率は基礎心疾患の有無間で有意な差が認められた.Cox比例ハザードモデルによる検討では,発作性心房細動の早期慢性化に関与した因子は,加齢,左房拡張,心筋梗塞,弁膜疾患であった.使用薬剤のうち,Ia群抗不整脈薬,Ic群抗不整脈薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬が慢性化を有意に遅らせるとのデータも得られた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.36.3_249