症例 アダムス・ストークス発作を示した急性び漫性間質性心筋炎(Fiedler)の1剖検例 連続切片による刺激伝導系の組織学的検索
64歳男,心電図上,洞房ブロックを伴なう右脚ブロック,右軸偏位型QRSを持つ完全房室ブロックを示し,頻回のAdams-stokes 発作にて入院. lsoproterenol効果なく,経静脈性体外ペースメーカー挿入により一時効果を認めたが,次第にペースメーカー刺激に反応しなくなり,QRS波形の変形をきたし,痙攣発作を繰り返し4日後死亡.剖検上,心重量は350gで軽度の左室の拡張性肥大を認めた.冠硬化は軽度であった.組織学的には高度の急性び漫性間質性心筋炎Firedlerを認め,大リンパ球,食細胞,形質細胞の強い浸潤と心筋細胞の広汎な変性,壊死を認めた.刺激伝導系では洞結節,通常筋接合部の散在性...
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Published in | 心臓 Vol. 8; no. 10; pp. 1039 - 1046 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
01.10.1976
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Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.8.10_1039 |
Cover
Summary: | 64歳男,心電図上,洞房ブロックを伴なう右脚ブロック,右軸偏位型QRSを持つ完全房室ブロックを示し,頻回のAdams-stokes 発作にて入院. lsoproterenol効果なく,経静脈性体外ペースメーカー挿入により一時効果を認めたが,次第にペースメーカー刺激に反応しなくなり,QRS波形の変形をきたし,痙攣発作を繰り返し4日後死亡.剖検上,心重量は350gで軽度の左室の拡張性肥大を認めた.冠硬化は軽度であった.組織学的には高度の急性び漫性間質性心筋炎Firedlerを認め,大リンパ球,食細胞,形質細胞の強い浸潤と心筋細胞の広汎な変性,壊死を認めた.刺激伝導系では洞結節,通常筋接合部の散在性炎症,房室結節,His束中枢部の散在性炎症,左脚後放線右脚基部の強い炎症による完全杜絶と左脚前放線の強い炎症巣中にわずかの伝導系細胞の遺残がみられ,いわゆる三束ブロック像を示した. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.8.10_1039 |