各種症例におけるセットアップモデル

診断用のセットアップモデルでは, セファロメトリックプレディクションにより予測した歯軸の改善や近遠心的あるいは垂直的な歯の移動量などを参考にして作成した歯の移動計画に基づき実際に模型上で歯の再配列を行うことにより実際に計画通りの歯の移動で問題がないかを検討する. この検討の結果, 特に問題点がなければ最終的な治療方針として決定することになるが, 実際にセットアップモデルを作成してみると, 上下顎歯槽基底幅径が合わない, 基底骨から歯根が逸脱しているなど様々な問題が明らかになることがある. 上下顎歯槽基底幅径の調和がとれないような場合には, 臼歯部が交叉咬合になって十分なセントリックストップが得...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 20; no. 4; pp. 332 - 335
Main Author 山本隆昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本顎変形症学会 15.12.2010
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ISSN0916-7048

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Summary:診断用のセットアップモデルでは, セファロメトリックプレディクションにより予測した歯軸の改善や近遠心的あるいは垂直的な歯の移動量などを参考にして作成した歯の移動計画に基づき実際に模型上で歯の再配列を行うことにより実際に計画通りの歯の移動で問題がないかを検討する. この検討の結果, 特に問題点がなければ最終的な治療方針として決定することになるが, 実際にセットアップモデルを作成してみると, 上下顎歯槽基底幅径が合わない, 基底骨から歯根が逸脱しているなど様々な問題が明らかになることがある. 上下顎歯槽基底幅径の調和がとれないような場合には, 臼歯部が交叉咬合になって十分なセントリックストップが得られない場合がある. このような場合には, 再度治療計画を検討し, 外科的な歯列弓の拡大の検討をする場合がある. また, 基底骨から歯根が逸脱している様な場合には改めて抜歯の必要性や抜歯部位を検討することになる. その上で再度, セットアップモデルを作成して問題点が解消されたかどうかを確認する.
ISSN:0916-7048