外傷性腕頭動脈仮性動脈瘤の1手術治験例
症例は28歳, 女性. 交通外傷にて救急来院. 来院時左右上部多発肋骨骨折, 左肺挫傷及び左血気胸を認めshock状態を呈していた. 胸部X線検査及びCT検査にて上縦隔の拡大を認め, 大動脈造影検査にて腕頭動脈に仮性動脈瘤を認めた. 輸液にて循環動態は改善し, 頭部, 腹部外傷の有無について約24時間充分観察した後, shunt tubeを用いて, 大動脈‐右総頸動脈・右鎖骨下動脈バイパス術を施行した. 腕頭動脈は起始部にて離断し中枢側を縫合閉鎖した. 摘出した腕頭動脈には後壁に縦走する内膜の亀裂が認められた. 術後経過は良好で, 術後21日目に軽快退院した. 外傷性腕頭動脈損傷は比 較的まれ...
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Published in | The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY Vol. 46; no. 9; pp. 889 - 892 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胸部外科学会
10.09.1998
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Subjects | |
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ISSN | 1344-4964 |
Cover
Summary: | 症例は28歳, 女性. 交通外傷にて救急来院. 来院時左右上部多発肋骨骨折, 左肺挫傷及び左血気胸を認めshock状態を呈していた. 胸部X線検査及びCT検査にて上縦隔の拡大を認め, 大動脈造影検査にて腕頭動脈に仮性動脈瘤を認めた. 輸液にて循環動態は改善し, 頭部, 腹部外傷の有無について約24時間充分観察した後, shunt tubeを用いて, 大動脈‐右総頸動脈・右鎖骨下動脈バイパス術を施行した. 腕頭動脈は起始部にて離断し中枢側を縫合閉鎖した. 摘出した腕頭動脈には後壁に縦走する内膜の亀裂が認められた. 術後経過は良好で, 術後21日目に軽快退院した. 外傷性腕頭動脈損傷は比 較的まれであるが, その1手術治験例を得たので報告する. |
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ISSN: | 1344-4964 |