小児体外循環における限外濾過用置換液としての重炭酸リンゲル液2種の比較
「要旨」小児体外循環症例のうちdilutional ultrafiltration(DUF)およびmodified ultrafiltration(MUF)にビカーボンをカクテルのベース液に使用した群(A群)20例, ビカネイトを使用した群(B群)21例の, その組成の違いによる効果および影響について比較検討した. カクテルの組成や, 使用するタイミング, ポンプ流量は両群とも同様とした. 結果, DUF, MUFでの置換液量, 収縮期圧, 総水分バランスに有意差は見られず, 電解質のMg2+のみがB群で有意に高値を示した. DUFおよびMUFの置換液として使用した効果は, 両群間に有意な違い...
Saved in:
Published in | 体外循環技術 Vol. 39; no. 2; pp. 166 - 169 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本体外循環技術医学会
01.06.2012
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0912-2664 |
Cover
Summary: | 「要旨」小児体外循環症例のうちdilutional ultrafiltration(DUF)およびmodified ultrafiltration(MUF)にビカーボンをカクテルのベース液に使用した群(A群)20例, ビカネイトを使用した群(B群)21例の, その組成の違いによる効果および影響について比較検討した. カクテルの組成や, 使用するタイミング, ポンプ流量は両群とも同様とした. 結果, DUF, MUFでの置換液量, 収縮期圧, 総水分バランスに有意差は見られず, 電解質のMg2+のみがB群で有意に高値を示した. DUFおよびMUFの置換液として使用した効果は, 両群間に有意な違いを認めなかった. ビカネイトは, ビカーボンに比べてMg2+が2倍の濃度(2.0mEq/L)に調製されている. 今回の検討ではMg2+濃度の違いによる不整脈の発生頻度などの術中, 術後の明らかな影響は認めなかった. 限外濾過用置換液としては同等に使用可能であると考える. |
---|---|
ISSN: | 0912-2664 |