オーストラリアにおける体外循環の質向上に向けた教育と研究-Flinders Medical CentreおよびAlfred Hospitalの視察を終えて

「要旨」本邦における体外循環ガイドライン作成に向けた活動に反映させることを目的に, オーストラリアにおける体外循環ガイドライン作成に向けた活動, そして体外循環技術分野の高等教育活動の実施現状を調査した. オーストラリアにおける体外循環症例データベース事業は, ここ数年をかけてじっくりと進めてきている. 体外循環記録記載データの正確性を追求するために, 早くから電子記録化に取り組み, データベースへの誤入力の機会を減らす努力がなされていた. ガイドライン作成には, 構造化抄録の仕組みをインターネット上に構築して, 作業効率を向上させていた. シミュレーション教育はシステマティックで, 効果の大...

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Published in体外循環技術 Vol. 37; no. 4; pp. 448 - 453
Main Authors 日比谷信, 亀井哲也, 関口敦, 林裕樹, 錦麗絵, 吉田靖, 見目恭一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.12.2010
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ISSN0912-2664

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Summary:「要旨」本邦における体外循環ガイドライン作成に向けた活動に反映させることを目的に, オーストラリアにおける体外循環ガイドライン作成に向けた活動, そして体外循環技術分野の高等教育活動の実施現状を調査した. オーストラリアにおける体外循環症例データベース事業は, ここ数年をかけてじっくりと進めてきている. 体外循環記録記載データの正確性を追求するために, 早くから電子記録化に取り組み, データベースへの誤入力の機会を減らす努力がなされていた. ガイドライン作成には, 構造化抄録の仕組みをインターネット上に構築して, 作業効率を向上させていた. シミュレーション教育はシステマティックで, 効果の大きさを理解した. 体外循環ガイドライン作成に向けたデータベースの構築・評価という臨床疫学によるエビデンス作成プロセス, そしてそのクラス分類に至るまでの過程には, 体外循環を実施する技士あるいは施設の意識と協力が必要不可欠であると理解した. 更にこれを支えるには, 体外循環教育の高等化と資格取得者の増大, 診療情報管理士の育成と安全性を高める訓練などが進むことも必要であると考える.
ISSN:0912-2664