吸引補助脱血に対応可能な開放回路における貯血レベル安定化装置の開発

「要旨」我々は開放型回路において, 貯血レベルを静水圧によって測定し, これにより送血ポンプをfeedback制御することで, 貯血レベルの安定化を図る装置(OLC)を開発し, 報告してきた. 今回, 吸引補助脱血(VAVD)に応用できるモデル(OLC-VAVD)を開発し, 動作を実験的に検証したので報告する. OLC-VAVDは, 貯血槽のdirect portの圧を圧力センサーの受圧膜の一次側へ, 貯血槽の内圧を受圧膜の二次側に入力することで, VAVDの陰圧を除いた貯血レベルの静水圧を測定して, 送血ポンプを制御するよう設計した. 制御は従来のOLCと同じである. 水系実験モデルを作製し...

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Published in体外循環技術 Vol. 39; no. 1; pp. 27 - 30
Main Authors 百瀬直樹, 柳沢充延, 草浦理恵, 小久保領, 梅田千典, 堀口敦史, 安田徹, 岩本典生, 安達秀雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.03.2012
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ISSN0912-2664

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Summary:「要旨」我々は開放型回路において, 貯血レベルを静水圧によって測定し, これにより送血ポンプをfeedback制御することで, 貯血レベルの安定化を図る装置(OLC)を開発し, 報告してきた. 今回, 吸引補助脱血(VAVD)に応用できるモデル(OLC-VAVD)を開発し, 動作を実験的に検証したので報告する. OLC-VAVDは, 貯血槽のdirect portの圧を圧力センサーの受圧膜の一次側へ, 貯血槽の内圧を受圧膜の二次側に入力することで, VAVDの陰圧を除いた貯血レベルの静水圧を測定して, 送血ポンプを制御するよう設計した. 制御は従来のOLCと同じである. 水系実験モデルを作製し, OLC-VAVDのローラーポンプモデルと遠心ポンプモデルで検証実験を行った. 実験の結果, OLC-VAVDはVAVD圧に影響されず従来のOLCと同じく貯血レベルを安定化させることができた. 貯血槽にVAVD圧をかけると, わずかに制御される貯血レベルが上がることが確認できたが, この現象は工夫で小さくできる. OLC-VAVDは広く普及してきた開放回路とVAVDの組み合わせにおいて, 安全で安定した体外循環に寄与する. 今後, 臨床応用を課題とする.
ISSN:0912-2664