フッ化物応用委員会報告「わが国の幼児期ならびに学齢期におけるフッ化物配合歯磨剤の使用状況」

「はじめに」世界で最も多く利用されているフッ化物の応用法はフッ化物配合歯磨剤であり1), 1993年のWHOのテクニカルレポートによれば, 工業先進諸国の齲蝕減少には, フッ化物配合歯磨剤の普及が最も貢献したと報告されている2). わが国のフッ化物配合歯磨剤の市場占有率は, 1985年に12%程度であったものが10年後におよそ50%となり, 1998年以降急激に上昇して, 2002年には86%に達した*1. しかし, 実際に国民がどの程度フッ化物配合歯磨剤を利用しているのか, 使用状況についての全国的な調査はあまり実施されていない. 2000年4月から, 21世紀におけるわが国の国民健康づくり...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 53; no. 5; pp. 611 - 614
Main Authors 平田幸夫, 川口陽子, 磯崎篤則, 安藤雄一, 加藤一夫, 川崎浩二, 佐久間汐子, 田浦勝彦, 筒井昭仁, 鶴本明久, 眞木吉信, 森下真行, 森田学, 八木稔, 荒川浩久, 小林清吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 30.10.2003
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
The Japanese Society for Dental Health
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ISSN0023-2831

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Summary:「はじめに」世界で最も多く利用されているフッ化物の応用法はフッ化物配合歯磨剤であり1), 1993年のWHOのテクニカルレポートによれば, 工業先進諸国の齲蝕減少には, フッ化物配合歯磨剤の普及が最も貢献したと報告されている2). わが国のフッ化物配合歯磨剤の市場占有率は, 1985年に12%程度であったものが10年後におよそ50%となり, 1998年以降急激に上昇して, 2002年には86%に達した*1. しかし, 実際に国民がどの程度フッ化物配合歯磨剤を利用しているのか, 使用状況についての全国的な調査はあまり実施されていない. 2000年4月から, 21世紀におけるわが国の国民健康づくり対策として「健康日本21」が提唱され3), そのなかの目標の1つとして「学齢期におけるフッ化物配合歯磨剤の使用割合を90%以上にする」が掲げられ4), フッ化物配合歯磨剤の利用が推奨されている. そのような状況に鑑み, わが国におけるフッ化物配合歯磨剤の使用状況を把握することは, 今後, フッ化物応用に関する普及啓発活動を行ううえで重要であると考え, 本委員会では, 幼児期ならびに学齢期のフッ化物配合歯磨剤の使用状況について調査, 検討することとなった.
ISSN:0023-2831