十二指腸に嵌頓した胃底部平滑筋肉腫の1例
胃の腫瘍性病変が十二指腸に脱出して幽門を閉塞するball valve syndrome のなかで, 胃底部に発生した平滑筋肉腫によるものは極めてまれである. 今回, 我々は胃底部に発生し, 十二指腸に脱出, 嵌頓した胃平滑筋肉腫の1例を経験したので報告する. 症例は65歳の女性. 7年前より同腫瘍を指摘されていながら手術を拒否し続けていたところ, 突然腹痛, 嘔気, 嘔吐, 発熱にて発症し, 超音波検査にて胃腫瘍の十二指腸嵌頓と診断され手術を施行した. 嵌頓した腫瘍を用手的に整復した後, 腫瘍を含めた胃部分切除を行った. 切除標本の病理診断は胃平滑筋肉腫であった. 術後経過良好にて, 術後23...
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| Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 32; no. 11; pp. 2548 - 2552 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.11.1999
一般社団法人日本消化器外科学会 The Japanese Society of Gastroenterological Surgery |
| Subjects | |
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| ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
| DOI | 10.5833/jjgs.32.2548 |
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| Summary: | 胃の腫瘍性病変が十二指腸に脱出して幽門を閉塞するball valve syndrome のなかで, 胃底部に発生した平滑筋肉腫によるものは極めてまれである. 今回, 我々は胃底部に発生し, 十二指腸に脱出, 嵌頓した胃平滑筋肉腫の1例を経験したので報告する. 症例は65歳の女性. 7年前より同腫瘍を指摘されていながら手術を拒否し続けていたところ, 突然腹痛, 嘔気, 嘔吐, 発熱にて発症し, 超音波検査にて胃腫瘍の十二指腸嵌頓と診断され手術を施行した. 嵌頓した腫瘍を用手的に整復した後, 腫瘍を含めた胃部分切除を行った. 切除標本の病理診断は胃平滑筋肉腫であった. 術後経過良好にて, 術後23日目に退院. 約4年後の現在も再発の徴候はみとめない. |
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| ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
| DOI: | 10.5833/jjgs.32.2548 |