離島医療における薬剤師の関与 篠島診療所の業務について
[緒言]当院は、知多半島南部における拠点病院として急性期医療、救急医療に携わっている。また、地域医療への取り組みとして当院に特徴的であるのが篠島診療所での離島医療である。今回は篠島診療所での業務に携わった経験を基に現報告する。 [環境]篠島は三河湾に浮かぶ島で、知多半島と渥美半島のほぼ中央に挟まれた湾の入り口に位置している南知多町の離島である。周囲約9kmの島で、人口は1878人、世帯数は638世帯である(平成17年国勢調査より)。篠島への交通手段としては、知多半島や渥美半島の港から出ている高速船や海上タクシーが利用されている。基幹産業は水産業で世帯数より漁船数の方が多い。また観光も盛んであり...
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Published in | 日本農村医学会学術総会抄録集 p. 357 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2011
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-1749 1880-1730 |
DOI | 10.14879/nnigss.60.0.357.0 |
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Summary: | [緒言]当院は、知多半島南部における拠点病院として急性期医療、救急医療に携わっている。また、地域医療への取り組みとして当院に特徴的であるのが篠島診療所での離島医療である。今回は篠島診療所での業務に携わった経験を基に現報告する。 [環境]篠島は三河湾に浮かぶ島で、知多半島と渥美半島のほぼ中央に挟まれた湾の入り口に位置している南知多町の離島である。周囲約9kmの島で、人口は1878人、世帯数は638世帯である(平成17年国勢調査より)。篠島への交通手段としては、知多半島や渥美半島の港から出ている高速船や海上タクシーが利用されている。基幹産業は水産業で世帯数より漁船数の方が多い。また観光も盛んであり、各地から年間28万人以上の観光客が訪れている。 [業務]篠島に知多厚生病院付属の診療所が開設されたのは、1991年である。現在、医師1名、薬剤師1名、看護師3名、事務3名で外来診療、在宅医療を行っている。医師は知多厚生病院、名古屋市立大学病院、佐久島診療所等の医師らが交代で診察を行っており、薬剤師は知多厚生病院の薬剤師が毎日交代で業務に従事している。 診察は月、火、木、金曜日の午前、水曜日の午後に行われている。また、予防接種や健康講座など島民の健康を守るための活動を行っている。 薬剤師の業務としては調剤業務が主で、その他に診療所における薬品の在庫管理や補充等を行っている。 [結語]診療所は、薬剤師が1人で調剤と検薬を行うため、幅広い知識とより一層の集中力が必要である。離島における医療の存続は島民からも要望があり、今後も継続する必要がある。また、僻地医療を含む臨床研修の場として、有効な運用が望まれている。薬剤師としても、一層の支援をはかるとともに、地域医療を守る活動を続けていきたい。 |
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Bibliography: | 1J-D-11 |
ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.60.0.357.0 |