肺静脈CTにおける心電図同期撮影の有用性 320列ADCT

【はじめに】  当院での心房細動症例に対するカテーテルアブレーションでは、術前の左房や肺静脈の形態評価、カルトシステムのマッピング用データが必要なため、CTによる肺静脈造影(以下PVCT)が必須検査となっている。PVCTは発作性心房細動のアブレーションを行っている施設では一般に行われている検査法であるが、撮影において心電図同期の有無が施設ごとで混在しており、ゴールデンスタンダードがない現状にある。そこで、今回われわれは320列ADCTにおいて心電図同期の有無で左房や左心耳の描出能を比較検討したので報告する。 【方法】 撮影は同期、非同期それぞれボーラストラッキング法にて行った。ROIは左房に設...

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Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 174
Main Authors 土居岸, 鉄矢, 内田, 和仁, 長谷川, 健, 赤川, 浩司, 平井, 正幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2011
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.60.0.174.0

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Summary:【はじめに】  当院での心房細動症例に対するカテーテルアブレーションでは、術前の左房や肺静脈の形態評価、カルトシステムのマッピング用データが必要なため、CTによる肺静脈造影(以下PVCT)が必須検査となっている。PVCTは発作性心房細動のアブレーションを行っている施設では一般に行われている検査法であるが、撮影において心電図同期の有無が施設ごとで混在しており、ゴールデンスタンダードがない現状にある。そこで、今回われわれは320列ADCTにおいて心電図同期の有無で左房や左心耳の描出能を比較検討したので報告する。 【方法】 撮影は同期、非同期それぞれボーラストラッキング法にて行った。ROIは左房に設定し、CT値が200HUになったところで撮影を開始した。撮影はどちらもVolume Scanとし、ガントリ回転速度を0.35秒、再構成はハーフリコンとした。また、同期撮影では心拍によらず拡張中期である75%1Beet曝射を行った。撮影後、肺静脈の入口部分を観察するための仮想内視鏡とVR(volume rendering)、3mm厚、3mm間隔のMIP画像をaxialとcoronalで作成し、処理画像の比較を行った。 【結果】 同期をかけた症例の中でHRが60以下では左心房や左心耳の描出能がよく、それ以上になると同期の有無で処理画像の画質に大きな違いは見られなかった。 【考察】 320列ADCTでのPVCTでは従来のHelical Scanと異なり、0.35秒1Scanで撮影を行えるため、同期の有無よりもHRに依存することが分かった。今後はHRに依存せず左心耳内の血栓評価を行うために、HRの高い症例は2心拍以上を撮影し、SEGMENT再構成による描出能の検討が必要である。以上のことから心電図同期撮影は必須になると考えられる。
Bibliography:2B-10
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.60.0.174.0