海南病院はどのように医学生に見られているか 見学医学生アンケート結果より

<背景>  当院は愛知県西部、人口30万人医療圏に位置する基幹型臨床研修病院で、研修医定員は毎年度12名である。年間100名を超える見学・実習医学生が訪れるが、筆記試験を課した平成18年以降、受験者は毎年52名、41名、32名、32名、33名と推移している。  学生の見学希望科が偏っていないか、人気の診療科志望者に偏って受験しているのではないかと、研修管理委員会で委員から懸念が表明された。受験者が偏っているかどうかを検討するために、医学生が当院をどのように見ているかを調査する必要性が生じた。 <方法>  当院研修管理委員会では平成22年度秋に、当院を見学したが受験しなかった67名の医学生に対し...

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Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 464
Main Author 三島, 信彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2011
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.60.0.464.0

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Summary:<背景>  当院は愛知県西部、人口30万人医療圏に位置する基幹型臨床研修病院で、研修医定員は毎年度12名である。年間100名を超える見学・実習医学生が訪れるが、筆記試験を課した平成18年以降、受験者は毎年52名、41名、32名、32名、33名と推移している。  学生の見学希望科が偏っていないか、人気の診療科志望者に偏って受験しているのではないかと、研修管理委員会で委員から懸念が表明された。受験者が偏っているかどうかを検討するために、医学生が当院をどのように見ているかを調査する必要性が生じた。 <方法>  当院研修管理委員会では平成22年度秋に、当院を見学したが受験しなかった67名の医学生に対して郵送によるアンケート調査を行い、当院非受験者の意向を解析した。  質問項目は、_丸1_第1位指名病院の特徴、_丸2_第1位指名病院名、_丸3_志望科、_丸4_研修したいと思うプログラム、_丸5_海南病院のイメージ、_丸6_海南病院を受験しなかった理由、_丸7_海南病院がより良い臨床研修病院になるために改善すべき点、である。 <結果>  アンケート回収は67名中23名、回収率は34%であった。内容解析から以下(括弧内は採択率)が判明した。  当院見学者には志望科に偏りがなく、雰囲気の良い大規模病院を好んでおり、希望する研修プログラムには一定の傾向は見られない。海南病院のイメージは、スタッフの雰囲気が良く(70%)、先輩上級研修医に惹かれ(65%)、研修病院としては悪くない(91%)が、採用試験が難しい(48%)。当院を受験しなかった理由には、電子カルテではない(61%)、志望科を支援する大学医局が希望大学と合致しない(44%)、採用試験が難しい(30%)が挙げられた。 <結論>  回収率の低いアンケート調査には限界があるが、特定の理由で学生が当院受験を忌避しているという事実は確認できず、調査時点では当院にとって懸念するような評判は立っていない。採用試験問題を平易にし、来年度電子カルテを導入すると、受験者が増加することが期待できる。
Bibliography:2J-D-19
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.60.0.464.0