夫立会い分娩に対する妊婦・夫の意識調査 夫立会い分娩の普及に向けて

【はじめに】 近年、マスメディアにより夫立会い分娩という言葉は多くの人々に知られる様になった。当院でも出産する夫婦のニーズに答える目的で2003年1月より夫立会い分娩を取り入れ、1年経過した。当院で立会い分娩を行なった夫婦は、当初考えていた程多くなかったため、今回、妊娠期の夫婦の夫立会い分娩の意識調査を実施し、実際に立会い分娩をする夫婦がなぜ増加しないのか原因を分析し検討したので報告する。 【調査方法】 調査期間:2004年4月-2004年12月。 調査対象者及び方法:当院で分娩予約を行った夫婦81組(妊婦及び夫合計162名)に助産師外来でアンケート調査を実施し、内容を分析する。 【結果】 ア...

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Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 169
Main Authors 佐藤, 弘子, 須藤, 祥子, 中村, 淑美, 米田, 伊智子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2005
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.54.0.169.0

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Summary:【はじめに】 近年、マスメディアにより夫立会い分娩という言葉は多くの人々に知られる様になった。当院でも出産する夫婦のニーズに答える目的で2003年1月より夫立会い分娩を取り入れ、1年経過した。当院で立会い分娩を行なった夫婦は、当初考えていた程多くなかったため、今回、妊娠期の夫婦の夫立会い分娩の意識調査を実施し、実際に立会い分娩をする夫婦がなぜ増加しないのか原因を分析し検討したので報告する。 【調査方法】 調査期間:2004年4月-2004年12月。 調査対象者及び方法:当院で分娩予約を行った夫婦81組(妊婦及び夫合計162名)に助産師外来でアンケート調査を実施し、内容を分析する。 【結果】 アンケート結果の回収率は95%であった。 1、「夫立会い分娩をどのような方法で知ったか」については、育児書・マタニティ雑誌、テレビなどが66.3%、助産師外来・医師からの説明15.8%であった。 2、「立会い分娩を希望するか」については、希望するは妊婦54.5%、夫63.6%。希望しないは妊婦40.3%、夫36.4%。無回答は妊婦5.2%、夫0%であった。希望する理由は、わが子の生命誕生を夫婦で迎えたい、二人でいると安心する、家族の絆が深まる、妻を安心させたいであった。希望しない理由は、妊婦は、分娩時の取り乱している姿を見られたくない、側にいられると頑張れなくなる等で、夫は、お産に男性が立ち会うべきではない、何をしてよいか分からない等であった。また仕事の関係や上の子の関係により夫立会い分娩をすることができないとの意見もあった。 3、「夫立会い分娩をするしないは誰が決めたか」については、二人で決めた51.9%、妊婦26.0%、夫13.0%、無回答9.1%であった。 4、「夫の事前学習は必要か」については、必要であるは妊婦78.9%、夫79.4%であり、必要でないは妊婦21.1%、夫20.6%であった。 【考察】 今回の調査から、病院以外からの情報が多く、当院でも立会い分娩を行なっていること等の情報提供が不足していたと考える。実際に夫立会い分娩をした夫婦は、希望する夫婦の半数程度であったことからも同様なことが覗える。今後は掲示だけではなく、パンフレット等を用い、立会い分娩をアピールしていくことが、選択肢を広げることにもつながると考える。また助産師外来や母親学級があるが、平日の昼間であることから夫の参加も少ない。そのため夫の事前学習の機会も少ないため、夫立会い分娩の事前準備として指導内容の充実、助産師外来や母親学級への夫の参加を呼びかけていく必要があると言える。このようなことから、夫の分娩に対する考えも変化し事前学習を通して夫立会い分娩を希望する夫婦が増加するのではないかと思われる。夫立会い分娩は妊娠期から育児に対する意識を高められるよう助産師が積極的に関わって接していくことが重要であると考える。 【まとめ】 1)夫立会い分娩を希望する夫婦はまだそれ程多くないということが分かった。 2)夫立会い分娩の普及に向けて情報提供や夫への事前学習に対する指導が必要であるといえる。
Bibliography:1M12
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.54.0.169.0