退院指導方法の検討 アンケート調査の結果から
[はじめに] 心臓血管外科病棟では、予定の手術の他に緊急手術も含め、年間82件の開心術を行っている。術前の合併症や術後の予後により異なるが平均一ヶ月で退院となる。開心術の患者以外にも、呼吸器外科の手術の患者やその他の重症患者の看護も行っている。こうした状況でも、在院日数短縮化が進んでおり、退院指導は退院後の生活を想定し、入院早期から介入していかなくてはならないと考える。しかし、退院指導方法・時期は看護師によりバラつきがあるように感じる。そこで病棟で行われている退院指導方法の現状を把握し、今後の退院指導のあり方について検討したのでここに報告する。 [研究目的] 退院指導の現状を把握し、問題点...
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          | Published in | 日本農村医学会学術総会抄録集 p. 198 | 
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| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本農村医学会
    
        2007
     | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 1880-1749 1880-1730  | 
| DOI | 10.14879/nnigss.56.0.198.0 | 
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| Summary: | [はじめに]  心臓血管外科病棟では、予定の手術の他に緊急手術も含め、年間82件の開心術を行っている。術前の合併症や術後の予後により異なるが平均一ヶ月で退院となる。開心術の患者以外にも、呼吸器外科の手術の患者やその他の重症患者の看護も行っている。こうした状況でも、在院日数短縮化が進んでおり、退院指導は退院後の生活を想定し、入院早期から介入していかなくてはならないと考える。しかし、退院指導方法・時期は看護師によりバラつきがあるように感じる。そこで病棟で行われている退院指導方法の現状を把握し、今後の退院指導のあり方について検討したのでここに報告する。 [研究目的]  退院指導の現状を把握し、問題点等を明確にし、検討する。 [研究方法] 期間:平成18年6月~11月 対象:病棟看護師16名 方法:病棟看護師へ無記名による質問紙調査を実施し、退院指導方法の現状について(退院指導の時期・内容・問題点)を評価。 倫理的配慮:研究の趣旨を説明し、承諾を得た上でアンケート調査を行い、収集したデータを研究以外に使用しないよう個人情報保護に心掛ける [結果]  アンケートの回収率は75%であった。退院指導をいつ行っているかの質問には「退院予測時」が42%と最も多く、次いで「退院時」が31%、「退院決定時」が23%、「入院初期」が4%の順であった。一方、いつ退院指導を行うのが適切であるかの質問に対しては、「退院予測時」が42%「入院初期」が33%「退院決定時」が17%「退院時」が8%であった。次に、指導の実践・退院後の生活の情報収集と指導後の効果の確認においては、している群64%としていない群36%とで比較すると、している群の方が上回っていた。しかし退院指導の状況を項目別に見た場合、差が生じていた。特に食事・排泄・清潔・薬剤管理・禁煙・定期受診・不安に対する援助は4段階評価(1全くしていない、2 あまりしていない、3まあまあしている、4十分している)で平均が2.8~3.0と高かったが、睡眠・ストレス・性・社会資源活用については平均1.1~2.1と低かった。最後に現在の退院指導について何か感じるころはありますかの質問には「誰がどこまで指導したのか分からない」、「指導に必要な情報が取れていない」「個別性に欠け、画一的なものになっている」「看護記録からでは患者の理解度や指導の状況が分からない」という意見があった。 [考察]  退院指導の時期については、あらかじめ入院期間が分かっている患者やクリニカルパス通りに進んでいる患者などには早期から行えているが、手術後の状態や疾患の経過により退院の見通しのつかない患者には退院予測時や退院時の指導になっていることが多いと考えられる。また、退院指導についての情報収集や退院指導後の効果の確認はしているが、退院指導の状況や患者の退院指導に対する理解度は、看護記録だけからの把握が難しいと考える。退院指導の内容については、基本的欲求や日常的な項目に対する指導はできているが、患者の退院指導に対する満足度や欲求を評価しておらず、今後の課題と考える。そこで、スタッフ全員が患者の退院指導状況や退院指導に対する理解度を把握できるようなチェックリストの作成が有効と考えられる。指導実施日、実施者を記入し、指導の翌日に行った指導内容について患者に確認し、理解が十分あれば、別の項目へ、理解が不十分であれば再度指導を行い、不十分であった内容について記入するようにし、理解が十分になるまで指導と評価を行おうと考えている。 | 
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| Bibliography: | 2B30 | 
| ISSN: | 1880-1749 1880-1730  | 
| DOI: | 10.14879/nnigss.56.0.198.0 |